一般の格闘技ファンのための100の大事なことがら

2017年10月15日

日本の女子ボクシングのレベルを考える 業界が腐りきっている現状では選手は強くなれない 一般の格闘技ファンのための100の大事なことがら その36

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 10月6日に吉田実代選手と高野人母美選手の試合がありました。この試合が決まった時、当ブログQRでは希望の光に輝く本当のガチカードと書きました。

 いまの日本の女子ボクシングには(特に6回戦以上のBやAのクラスには)やる前から結果が分かるインチキ試合が溢れかえっていて、見る価値が無いものが多すぎます。

 具体的には、タイの素人バイトさんを使った勝率約100パーセントの鉄板カードが代表的ですが、タイトルマッチでも対戦相手が明らかに経験不足だったり、下の階級の体格の小さい選手だったりということが多く、最初からいい試合になる可能性がほとんどありません。

Takano_VS_Yoshida-1

 そんな中で、高野選手と吉田選手の試合はどちらが勝つか簡単に予想がつかず、しかも、どちらも絶対に勝ちを狙っている状況での一騎打ちで、さらに、世間の注目度も高く、久々にヒリヒリするような期待感に満ちていました。続きを読む

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2017年07月28日

当たらない攻撃でも点数になるの? キックやボクシングを印象では無くて現実で見る 一般の格闘技ファンのための100の大事なことがら その35

 華麗なパスが何度もつながり、鮮やかなシュートが何度も放たれますが、なぜかゴールマウスに嫌われて一本のゴールも無く0−0で試合終了・・・「サッカーに判定があれば勝ちだったのになー」ってありますよね。

 ボクシングやキックでは、ガンガン手数出すけど当たらない、相手よりたくさん打つけどガードされてる、でも、相手の攻撃も当たらない・・・こんなときはいい攻撃をしている方が判定勝ちになることになっています。

 でも、それはお互いに攻撃が「まったく当たらない」あるいは「同等に当たっている」場合だけ。

 たいていの試合では命中打ゼロなんてありませんから、いくら少なくてもその「命中打の威力と数」いわゆる「有効打」で勝敗は決まります

 手数や試合運びはほとんどの場合は関係無いんです。

 そういうと「え?」と思う人もいるでしょう。「手を出せ」は格闘技の基本ですから。しかし、コーチが「もっと手を出せ」というのは手を出せば判定が良くなるという意味ではなく、手を出さなければ試合のリズムが作れない、手を出すうちに相手の守りが破綻してそこに攻撃が当たり始める、だから手を出せ、相手に出させるなということなのです。

 当てなければ、ガードを破らなければ、手数だけではポイントにはなりません

ヒット率

 日本の格闘技中継ではそのへんのところをきちんと分析しているところはほとんどないですね。でも、海外のボクシングや格闘技の中継では多くの番組でしっかり数値化して見せてくれています。

 アメリカやヨーロッパ、最近は中国の中継でも、ボクシング、キック、MMAなど、大手のところは必ず画面に「出した攻撃の数」と「当たった攻撃の数」をちゃんとラウンドごとに表示するのが基本になっています。

 「出した攻撃の数」がいわゆる手数、「当たった攻撃の数」が有効打。出した攻撃のうち何パーセントが当たったか、つまりヒット率も表示されます。

 当たっただけでは無くて「強く当たった」いわゆるパワーショットの数を表示してくれることもあります。パワーショットは有効打の中でも「ダメージを与えた」と考えられる特に重要な要素です。

 これが格闘技の採点方法です。日本でよく言われる「手を出していた」とか、「前に出ていた」とかは関係ありません。

 もっとも、攻撃をカウントしたり、どれがパワーショットか判断しているのは人間なので、この数字が絶対の訳では無く、試合を見る上での指標、目安のひとつという感じですが、正式なジャッジも有効打を基準として判断をくだしているのです。

 日本ではなぜ格闘技中継にそういう表示が出ないのかというと、たぶん予算の問題なのでしょう。けれど、おカネがありそうなとこでも全然やらないのは問題ですよね。

 数字と違う判定が出た時に説明に困るということなのかもしれませんし、中継する側がジャッジを信用していないのか、あるいは試合の流れを合理的に説明できる人材がいないのかの、そんな感じでしょうか。

 でもね、数値化して画面に出すのは予算的には無理でも、解説のひとはそのあたりをちゃんと説明しましょうよ。「当たらないとポイントにならないですよ」と。「当たってるのはこっちの選手ですよ」と

 いつまでも「見た目の印象」で試合を語っていると、日本の格闘技はそこから上に行けないような気がします。

 「楽しかった」「すごかった」だけの興行スポーツを超えて、合理的なスポーツとしてのちゃんと明示できる指標を示せれば、一流のアスリートもこの分野をもっと目指してくれるようになると思うのですが。

・判定を決めるのは1.ダウン2.有効打

・1あるいは2がある場合は「試合運び」は無関係

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2017年07月23日

「ヒジで相手を切ってみたい」「相手を切るのが好き」という選手はリングに上がる資格はない 一般の格闘技ファンのための100の大事なことがら その34

 「ルールとお互いをリスペクトしていい試合をするように」と試合の前にレフリーは言います。試合が成立するのはルールと対戦相手がいるからなので、これは格闘技の基本ですね。

 それなのに最近は「ヒジで切ってみたい」「切るのが好き」とか言うのを「売り」にしている一部選手がいるようです。

 これはまったく相手をリスペクトしてないから出る言葉で、選手としては失格です。

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写真素材 足成
 西洋の選手の一部には「ヒジで切り合うのがすごい」みたいな価値観があるようですが、本来、戦場には流血TKOとかレフリーストップなんてものはありませんので、武術的には流血信仰はまったくの邪道、好意的に見ても勘違いとしか言えません。

 ましてや「血を見ると興奮する」とか「ゾクゾクする」「流血は美」とか言っているのは単なる変態。何をか言わんや。あきれて絶句です。

 前にも書きましたが、普通の試合で、その流れに関係なく最初からヒジで切ってくるタイ人はまずいません。ムエタイでヒジで切るのは追い詰められた選手の最後の手段なんです。

 ヒジで切るのは、ヒジで倒すより簡単です。パンチで倒すより簡単です。蹴りで倒すより簡単です。だから、劣勢の選手でもそれは可能であり、最後の逆転の手段としてそれは残されているのです。

 ムエタイは最後まで勝敗が分からないのが面白い勝負とされるので、試合終盤の逆転のための最終兵器としてヒジで切るのもありなのです。

 しかし、最初からヒジで切って一方が優位に立ってしまったら、序盤や中盤の技の攻防が不必要になり、レフリーがいつ止めるか止めないかだけのツマラナイ試合になります。

 だから、そんなことをやると「試合をぶちこわしやがって」とドヒンシュク。次から試合に呼ばれません。対戦を断られます。

 もちろん、勝つことがすべての試合の時は、そんなこと言ってられませんから、遺恨試合とか、トーナメントとか、賞金マッチとか、テレビマッチとか、絶対負けられない時は切ろうが倒そうが勝てばいいのです。

 でも、なんにもかかってない試合で無意味に相手を切るのはただのバカ

 切りたかったら言葉の通じる同じ国の相手を切ってください。そのあとどんな人間関係になるのか味わってください。

 言葉が通じず、二度と会うこともないからと、タイ人選手の顔面を面白半分に切らないでください

 彼女たちは切られて平気なわけではありません。切られるのに慣れてなんかいません。遊びでやっているのではありません。「ふつうは切り合わない」というムエタイの常識の範囲でプロとして勝ち負けを争っているのです。

 彼女たちは意味もなく切り合って次の試合が組めなかったらその月の収入がなくなるのです。ですから、基本、流血戦はしないで技術で戦います。

 タイ人を毎試合のように意味もなく流血させている白人女子選手がいます。彼女は試合に生活がかかってないので、自分が切られても平気で笑っています。

 しかし、相手は平気ではありません。女子選手はファイトマネーが安いので、ひと試合でも負傷キャンセルになればたちまちお金に困ります。

 困らない白人の彼女は毎試合のように切ったり切られたりを続けて、自分の階級での対戦を次々と断られ、いまは2、3階級上の相手と当てられて苦しい戦いになっています。

 これが現実なのです。ムエタイは無法のジャングルでは無いし、ムエタイ女子は血に飢えたアマゾネスじゃありません。

 流血戦をやりたかったら同じような趣味の相手を見つけて自分たち同士でやってください。「わたしたちって血だらけでスゴくない?」とか言いながら、ブラッディ・エルボー・ゲームを続ければいいでしょう。

 ムエタイの本国、タイと違うことがやりたいのなら、タイ人を巻き込まないでください。

 また、前にも書きましたがメディアの皆さんは「女子なのにヒジで切るからすごい」みたいな民度の低いヨイショ記事を書かないでください。

 よろしくお願いします。

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2017年05月17日

「人に勇気を与えたい」と言っていいのは本当のヒーローだけ 一般の格闘技ファンのための100の大事なことがら その33

 新人選手のインタビューといえば「頑張りますのでよろしくおねがいします」で終わるのが相場ですが、最近は「わたしの試合で勇気を感じてもらいたいです」や「見る人に勇気を与えたいです」なんてのもあるようです。

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写真素材 足成

 メディアがいつのころか「見るものに勇気を与える試合」という表現をするようになってからこのようなコトバが定着したみたいですが、このセリフをいう新人は大きな勘違いをしています。

 これは選手が自分のほうから言うコトバじゃ無いんですよ。

 お客さんが選手に「感動をもらいました!」「勇気をもらいました!」と感謝の気持ちを表すのは、それがいい試合だったからなんです。いい試合じゃ無ければ感動どころかガッカリですからね。

 お客さんはおカネと時間を使って試合を見に来ているんですから、プロは本来いい試合を見せて当たり前なんですが、その「当たり前」以上の内容だったときに「感動を〜」「勇気を〜」という感謝のコトバが出るのです。

 だから、選手が「わたしの試合で勇気を感じてほしい」とか「見る人に勇気を与えたい」と言うんだったら、それは誰からも文句が出ないくらいの、むちゃくちゃ良い試合をしていることが前提です。

 でも、新人がそんな試合しているわけがありません。ましてや、カマセ相手の経験しか無いひとは、そんなこと言える資格はゼロでしょう。

 だいたい、「与える」というコトバは、指示を与える、チャンスを与える、休暇を与える、みたいに、上司が使うような、上から目線の言い方。ファンとかお客さんに対して使っていい言葉じゃないんですよ。

 【与える】 の意味(三省堂 大辞林)自分の所有する物を目下の相手に渡しその者の物とする。やる。授ける。

 というわけで、新人さんは大きなこと言う前に、ちゃんと試合してよ、と思います。

 もしも現役時代のモハメド・アリ選手に「おれ様の試合を見て感動しろ」って言われたら、素直にハイって言ったでしょうけどね(笑)。

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2017年03月20日

ボクシングジム経営者はスモールビジネスがお好き 一般の格闘技ファンのための100の大事なことがら その32

 スゴイ才能を持つボクサーの卵を発見したトレーナーが必死に育て・・・才能が開花、会場にはお客が詰めかけチケット売り切れ・・・スポンサーがついて、テレビ放映も実現、多額の放映権料が入ってジムも選手もニッコリ・・・一般の人が持つボクシング・ドリームのイメージはこんな感じでしょうか。

 しかし、実際には、ジムを経営するのは大変。特に女子は人気もなく、王者になってもテレビもつかず、たいていの場合、客席もガラガラです。

 では、ジムにとって女子はお荷物かというとそんなことはなく、都心部のジムではライトな会員を増やすための看板として女子は有効らしいのです。また、たいして実績を上げなくてもマスコミに取り上げられるのでスポンサーさんのウケも悪くないようです。

4回戦ボクサーインタビュー

 ですから、都会のボクシングジムは話題になりやすい女子選手を常にさがしています。元グラビアアイドル、元女優、元ミスなんとか、なんとかカフェ、なんとかリーグ・・・そういう肩書きでメディアに載る女子ボクサーがあとをたたないのはそういうわけです。

 しかし、地方ではそもそもジムに入会しようとか、スポンサーになろうと思うひとの絶対数が少ないので、女子ボクサーがいても宣伝効果はありません。

 そのため、地方のジムから女子のチャンピオンが生まれても、ジムにはうまみがほとんどなく、一方、王座の認定料など出費ばかりがかさむので、結局はジムは世界王者であろうと手放します

 看板効果は都会のジム限定の話であり、マスコミネタのある女子がチヤホヤされるのも都会だけの現象です。

 さて、先日後楽園ホールである選手がデビューしました。

 その選手が誰であるのかは重要でないので名前はあげませんが、かつてはサッカーをやっていたそうです。そのことが宣伝になると思ってか、ジムは彼女を特別扱い。デビュー前から記者会見、デビュー戦後はリング上でインタビュー、そのあと囲み取材。まるでスター扱い。

 しかし、その某選手、もとなでしこリーグと言っても、所属当時のチームはなでしこチャレンジリーグ。いわゆる2部ですね。当時のなでしこリーグは1部、2部あわせて26チーム、選手は600数十人ぐらいいたはずです。2017年現在、なでしこリーグは1部から3部までのランクがあり、総勢700数十人の選手が登録されています。

 対して、女子ボクサーで、継続してプロの試合に出ている人はたぶん全国で70人もいないでしょう。

 つまり、なでしこ選手は女子プロボクサーの10倍もいるんですよ。どっちが貴重かと言ったら女子ボクサーに決まっているじゃないですか。

 それなのに貴重な女子ボクサーを適当に扱い、大して珍しくもない元なでしこ2部リーグ選手をスターのように扱う。おかしくないですか?

 話題になるからいい?

 たしかに、マスコミはきれいな記事にして載せてくれますけど、それは彼らも紙面を埋めるネタが欲しいからで、本心でそう思って書いているわけではありません。バカバカしいと思っているでしょう。読まされる一般人だってそう思います。「ボクシングと関係無いじゃん」てね。

 サッカーファンの入会が増える?わけないでしょう。地元チームならありかもしれませんが、よそのチームなら「だれ?知らない」です。サッカーはホームタウンスポーツですからね。

 そんな茶番をやってる一方で、真面目にボクシングやってる人はひんやりしたものを感じても無理はありません。

 日本プロボクシング協会渡辺会長は、チャンピオンまでの道のりが長いからみんな途中でやめてしまう、と思っているようですが、そうじゃありませんよね。

 男も女もカネとコネのあるジムはタイ人呼んできてお手軽に戦績カサ上げ、すぐにB級昇進、A級昇進。

 そしておこなわれるゴミみたいなタイトルマッチは記事になるけど、ノンタイトルはいくら善戦しても話題にもならない。

 ろくに試合もしていなくても話題性だけでチヤホヤされるひとがいる一方で、ふつうの選手には日が当たらない。

 こんな状態だから辞めるんですよ。

 と、言ったって、トップのご本人がわかってくれる可能性はゼロ。まわりの人たちが修正してくれる以外にないんですが、そんなことをしようという人材は、協会には、たぶんいないでしょう。

 というわけで、わたしたちファンがいい選手を応援するしかありません

 くっだらない話題の共有とかリツイートはボクシングを壊しますよ。ファンのみなさん、話題は選びましょうね。

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2017年03月03日

ヒジで切っても武術的には意味がない ヒジ刀は使いどころが大事 一般の格闘技ファンのための100の大事なことがら その31

 2012年3月、WPMF世界タイトルマッチ、アズマ選手のパンチでダウンを喫して劣勢に置かれたサーオシン選手。

サーオシンvsアズマ

 ダメージは深く、絶対絶命のピンチのサーオシン選手が、ヒジ打ち一閃!流血するアズマ選手・・・さらにヒジ刀で再度流血のアズマ選手は無念のTKO負けとなり、世界王座を手に入れることはできませんでした。

 これがQRの記憶に残る最も鮮烈なヒジ打ち決着のひとつです。

 でも、ヒジで顔面を切られるとどうしてレフリーストップになるのでしょう?

 それは、ボクシングのパンチでカットされてのストップと論理的には同じです。顔面に深い切り傷がつくと、たとえそれが治癒しても、その付近が少しのことで切れやすくなってしまい、以降の選手生活に支障が出ます。流血が目に入ると不利ですし。

 ですから、傷がある程度以上に深くなりそうなら、その時点で試合を止めるのです。そうやって競技者のその後の選手生命を守るわけです。スポーツ的な配慮ですね。

 しかし、ムエタイはもともと軍隊格闘技であり、古武術ですから、ヒジ打ちは相手を倒すためのものであり、切るためのものではありませんでした。

 武術的には相手に切り傷を負わせても無意味です。戦争や決闘にはレフリーストップはありませんから。

 切るヒジの技術は、おそらくスポーツ化されてから開発されたもので、倒すヒジこそがムエタイの伝統的な技でしょう。

 でも、外国人にはそのような価値観は分かりにくいらしく、切るヒジを必要以上にありがたがる人が多いようです。YouTubeのムエタイ動画のコメント欄にも「この選手たちはどうしてエルボーを出さないのか?」なんて書いている外国人が結構います。ヒジ打ちはムエタイの華、みたいに思われているのかもしれません。

 ムエタイでの切るヒジは冒頭の試合のように、追い詰められた選手が最後に出す隠し技、奥の手みたいなもので使われることが多く、最初から切る目的でヒジばかり出すタイ選手はほとんどいません。

 もちろん、それをやっても反則ではないのですが。

 だから、西洋人的には「なんでダメなの?」となるのでしょうけど、タイのプロのムエタイファイターはひと月にいっぺんか、あるいはもっと多い回数で試合をする必要があります。いちいち顔面をカットしていたら、お互いに次の試合に支障が出ます。

 だから、タイではピンチの時の逆転技、どうしても負けられないときの最後の一手としてヒジ刀は使われるのであり、最初から切る人はいません。

 日本の相撲でも外人力士が張り手ばかり出してヒンシュクを買うことがありますが、彼らにとっては「反則じゃないのに、どうしてダメなの?」という感じだと思います。

 でも、15日間ぶっ続けで戦う大相撲が、毎日ヘヴィー級の張り手合戦になったら、力士の選手寿命はとても短くなるでしょう。

 そういうふうに説明すれば分かってもらえるかもしれませんが、タイにしろ日本にしろ、アジア人て「言わなくても分かるよね」って体質ですから、西洋人には理解しにくいと思います。


 動画はシルヴィー・フォン・デューグラス・イトゥー選手(アメリカ)の日常を記録したごく普通のテーマのものなんですが、彼女の左目周辺やその上の縫ったあとが痛々しいですね。わかりにくいけど額の中央や、髪の生え際あたりにも大きな傷がいくつもあるんです。

 タイの女子選手でここまでたくさんの切りキズのある人はちょっと記憶に無いですが、シルヴィー選手の場合、相手の顔面を切りに行くことが多いので反撃を受けて自分もここまで傷だらけなのでしょう。でも、ご本人は気にしていません。むしろ、切り合いを喜んでいる感じがあります。

 最近は、古傷が増えすぎて普通のヒジやパンチを受けても切れやすくなったみたいで、毎試合のように流血しているようです。彼女がアップする最近の写真や動画は流血率高いです。ふつうの選手ならそうはなりたくないでしょう。

 一方、タイ側では自分のとこの女子選手を切りにくる可能性が大きい相手とは戦わせたくないわけで、最近は彼女はいちど戦ったタイ選手とのリマッチを断られたりしているようです。

 イトゥー選手はムエタイの技術やルールはとても深く理解しているようですが、ルール以外のこういうところは、タイ人とファラン(白人系外国人)の価値観のズレというか、そんなものがあると思います。

 とにかく、タイの女子は切られれば切り返しますが、最初から切り合ったり、切ることに価値を求めるヒジマニアはいないんで、その辺のところは本場タイの価値観を尊重するべきでしょう。

 メディアのみなさん、相手の顔面を意味なく切っても勲章ではありませんので、そのへんをちゃんと説明しましょう。ヒジで切ったからすごい、みたいな伝え方は良く無いです。

 勝負の時、自分を守るべき時など、切るべき時に確実に切りに行ける選手は良い選手ですが、切るべき時の見境がつかない選手はノーグッドです。

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2017年01月31日

ボクシングの採点が観戦した印象と違うのはなぜか? 一般の格闘技ファンのための100の大事なことがら その30

 ボクシングはパンチだけを武器にしたシンプルで明解な格闘技です。

 一番明解な勝敗はKO決着、つぎはKO直前にまで追い込んでの大差判定でしょう。

 しかし、ハッキリと優劣のつかなかった場合、つまり接戦だった場合はどんな採点になるでしょうか?

 普通に考えれば、どちらも力が拮抗していたのだからポイントも近いはずだと思いますよね。しかし、実際には大きな点差がつくことが多いのです。

 それはどうしてでしょうか。

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写真素材 足成

 ボクシングの採点方法は時代とともにいろいろ変化してきました。各ラウンドを5点満点で採点していた時期もありましたが、そのころは僅差のラウンドは基本的に5−5と採点されました。僅差は基本的に無視されたのです。

 それをもっと細かくして現在では10点満点で採点していますが、10点法になっても10−10の採点が多く、やはり僅差は無視されました。

 そこで一部では0.5点きざみで10−9.5などという採点法もおこなわれましたが定着しませんでした。

 結局、現在おちついているのは、各ラウンドの優勢な方を10点、劣勢な方を9点として、10−9を基本とする採点方法です。

 ルール上、明確に10−10の採点を禁止している団体は少ないため「10−10をつけても問題ではない」とも言われますし、実際10−10をつけているジャッジもいますが、現在のボクシング界の常識としてはジャッジは基本的にどんなに僅差のラウンドでも10−9をつけることになっています。

 WBCさんは団体トップのコメントとして「権限によりジャッジがイーブン(10−10)のスコアをつけることを禁ずる Several jurisdictions prohibit judges to score even rounds」と発表していますし、WBFed.さんは公式サイトに「イーブンのスコアをつけることは非推奨であり、ジャッジはラウンドごとの勝者を決める努力を払わねばならない Scoring even rounds is not recommanded, the judges must take effort to pick a winner of each round」とかなり強い言い方で記しています。

 また、英語圏のボクシングサイトでは「10−9が基本 a typical round is 10-9」という論調の解説が大部分です。

 この極力10−9の差をつける採点法には正式な名前は無いようですが、日本では一般的に「マストシステム」と呼ばれたりします。

 これは要するに、どんなに互角に見えるラウンドでもどっちかを勝ちにする、という採点方法ですが、これが現在の世界中のプロボクシングの基本と考えて間違いありません。

 簡単に言って「ちょっとの差でも1ポイントの差として計算する」「差がなくても差として採点する」というかなり強引なやり方です。

 ですから、僅差のような、あるいは差が無いような試合でも、大差のスコアがつくことがあります。

 というか、どちらの選手も決定的なラウンドを作れなかった接戦であればあるほど、ジャッジは無理矢理にでも点差を付けなければならないので、見た目の印象とは違った数字になってしまうのです。

 はっきりとヤマ場があった試合なら、そこがジャッジ三者のポイントの一致点になりやすく、ある方向にまとまった採点になるのですが、平坦な接戦の場合は各ジャッジがどこに優劣を見いだすかに差異が生まれ、大きくポイントが離れることは珍しくありません。

 また、「すこしだけ一方が勝ってた試合なのに」ポイント上は大差になり「圧倒的に一方が勝っていた試合」と同じようなポイントになるのも、無理矢理に点差をつけるシステムの働きです。

 女子の世界戦で言えば、見た目は僅差の場合にも98−92のようなスコアになったり、スプリット判定なのにジャッジの間のポイント差が大きく食い違ったりということになりますが、これはすべて僅差のラウンドでも基本的には10−9という採点法から仕方の無いことなんです。

 プロスポーツとしては、点差のつかない判定ばかりになるのも歓迎されないのでこのようなシステムになったのでしょうけれども、あまり印象とかけ離れたスコアになるのも考えものですし、難しいところですね。

・現行のボクシングの採点方法は、一方を過大評価するか、あるいは過小評価するかのどちらか。

・結果として、はっきりとした山場のない試合ほど現実離れしたスコアになることがある。

・よって、スコアと試合内容の評価は別物である。


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2016年12月14日

BoxRecはどうしてイマイチ信用できないのか? 一般の格闘技ファンのための100の大事なことがら その29

 ボクシングというのは世界的なスポーツです。日本の選手が外国に試合に行ったり、外国の選手が来日したりというのは当然たくさんおこなわれています。

 その時に必要なのが外国人選手の戦績などの個人データなのですが、実は全世界のボクシング選手の公式な資料を一括して管理している公的な組織とかデータベースというのはどこにも存在しません

 だから、たとえばJBCさんは試合の主催者さんに「外人選手の戦績を相手国のコミッションの確認付きで提出してください」というお願いをしています。データがないので、相手国からの情報にたよるしかないのです。

 でも、ちゃんと選手の戦績管理ができているコミッションなんてそれほど存在しないので、たとえば、アジア諸国からの来日選手の戦績の多くはマユツバと思って間違いありません。

boxrec 世界中のボクサーの戦績を集めたサイトとしてはBoxRec(ボックスレック、ボクレコ)が有名ですが、これはもともとはある人が始めた個人サイト(広告収入で運営)で、本来は非公式なものでしたが、ことし(2016年)にやっとABCというアメリカ/カナダのボクシングコミッションから公認データベースとして認められました。

 で、このABCオフィシャルとなったBoxRecは、公認以降は北米のボクシング大会の結果に関しては生の公式記録が提供されるから完璧になるでしょうけれども、それ以外の地域の試合に関しては現地の協力者によって集められたデータを収集しているのにすぎないため、信用性はかなり低くなります。

 BoxRecには世界のおもな地域に編集者(エディター)と呼ばれるボランティア(無報酬かどうかは不明)がいて、その人が自分の担当地域の大会結果をサイトに掲載していく仕組みです。けれども、編集者が存在しない国も多く、それらの国のデータは不完全だったり間違っていたりします。

 たとえば、日本担当の有名な編集者にジョー小泉さんがいますが、日本でおこなわれた試合であってもJBC管轄で無いものは彼らが関知しないためBoxRecには掲載されなかったり、不完全な内容になったりしています。

 JBC認可以前の女子ボクシングとか、JBCを離脱したボクサーによる自主興行などの記載は、不備だったり、全然記載がなかったりするのはそういう事情です。編集者の立場や考え方によってデータが偏ることは避けられないのです。これがBoxRecの限界なのです。

 BoxRecはWiki形式と呼ばれる仕組みを採用したサイトなのですが、Wikipediaとは違って誰でもが書き込めるものではありません。実際に書き込みなどの作業ができるのは編集者(エディター)だけです。

 もしも、わたしたち一般のファンがBoxRecの内容に間違いや不足を発見した場合はどうすればいいでしょうか?まずBoxRecの登録ページでIDを作ります。無料で誰でもつくれます。そのIDでログインすると、BoxRecのフォーラムに入ることができます。そこで、この記事のここのところが間違っているよとか、この試合が抜けてますよとか書き込めば2.3日中に記事に反映されます。

 QRもIDは持っているのでこれは何度かやったことがあります。試合結果を証明する資料を示せとかは一度も言われたことがありません。フォーラムを読んだ編集者の誰かが、けっこう簡単に書き換えてくれます。

 「そんなんでいいの?」と思う人もいるでしょうけれど、このくらいの軽さがないとここまで大きなデータを蓄積することは出来なかったと思います。これがみんなでネタを持ち寄って作るWiki形式のいいところなのでしょう。

 で、このフォーラムでの情報提供みたいなことを何度もやっていると運営者さんから存在を覚えてもらうことができます。そして貢献をかさねて信用され、住んでいる地域が編集者の不足している地域だったりした場合は、ここで運営者さんから「編集者にならない?」とオファーが来るらしいです。

 普通のひとはそんな面倒くさい仕事はやりたくないでしょうけれど、ボクシング方面で顔を売りたいとか、恩を売りたいとか考える人には、なかなか美味しいポジションなのかもしれません。だって、世界最大のボクシングサイトでボクサーの戦績を「編集」出来るわけですからね。

 実際、編集者がその立場を悪用したと思われる現象はいくつか確認できます。例えば、スティファニー・ダブスというアメリカの女子ボクサーは早千代選手と2回戦って2回ともTKOで負け、BoxRecでもそう記載されていたのですが、いまのBoxRecでは2戦ともNC(ノーコンテスト、無効試合)となっています。KO負けがふたつ減ったので、通算戦績が本来の1つ負け越しから1つ勝ち越しに変わりました。誰かが書き換えてくれたのでしょう(日本版Wikipediaは早千代選手のページでこの間違った戦績をそのまま掲載中)。

 また、韓国のチェ・ヒョンミ選手は2008年6月26日に中国でデビューしたことになっていて、KBC(韓国ボクシングコミッション)の資料でも、BoxRecでもそうなっていたのですが、実はそれがまったくのウソで、そのような試合は行われていなかったことが3年後に明らかになり、現在のBoxRecではその記録は削除されています。

 これはチェ・ヒョンミ選手を世界タイトルマッチに挑戦させるための「実績」が必要だった関係者の何者かが「中国でのデビュー戦でPABAフェザー級ジュニア王座を獲得」という戦績を捏造し、KBCの資料とBoxRecに書き込んでいたということが分かっています。そんなことが出来る「何者か」は当然、韓国ボクシング界のトップでしょう。

 状況から考えて、チェ・ヒョンミ選手の試合だけが捏造だったのではなく、2008年6月26日の中国での大会自体が「無かった」というのが真相だと思われますが、BoxRecではチェ・ヒョンミ選手の試合以外の3試合はいまでもそのまま掲載されています。全選手がデビュー戦で、全選手がそれ以降まったく試合をしていないという非常に不自然なデータのままで。

 このように、BoxRecの編集者になればいろんなことが出来てしまいます。負けを無しにできるし、無かった大会も作れちゃいます。しかも、編集者になるには厳格な規定はなく、フォーラムでいろいろ情報提供をしてBoxRecに貢献すればいいのです。試合結果だけではなくて写真も送ったりしたら貢献度も高いかもしれません。

 ある日、QRがBoxRecを見ていると、そこにはQRが記事に使った写真が貼ってあります。うちからのコピーなんですが、それが半端な数じゃないんですよ。数十枚はありました。投稿者のユーザーネームが2種類あったので、投稿者はふたり。どちらもどうやら南米の人。日本の試合写真なんて持ってるわけがないのに、自分のもののようなフリをしてせっせとBoxRecに送っていたようです。たくさん「貢献」して編集者になりたかったんでしょうね。

 QRはWikipediaさんに記事をパクられた事件を思い出し「またですか」とあきれながらBoxRecに削除依頼のタグを貼りました。やっぱりWiki形式のサイトというのは、そのなかで上に行きたい、力を持ちたい、利権が欲しいと思う人が、貢献度かせぎのためにこういうことをやるのでしょう。世界中どこでも。

 しかし、タグを貼ってもまったく反応がありません。そこで考えを変え、写真をアップした二人をフォーラムで指名して「勝手にアップした写真を消してください」と書くと、すぐにメールが来ました。「友人よ、どうか写真の消し方を教えてくれないか?」問題起こしたら編集者になれない、って焦ってるんでしょうけど、ひとことの謝罪もないんですよ。ずいぶん自分勝手な友人です。消し方を聞く相手も間違ってるでしょう。

 2、3日してBoxRecのアタマのひとからメールが来ました。「きみに編集権を与えたのでこれで写真は消せます」と書いてあります。「まじ?」と思ってログインすると、たしかに操作のところに「削除」の項目が増えてるではありませんか。本格的な編集はもちろんできませんが、限定的な削除ならできるのです。

 「なんで被害者自身が他人が勝手にアップした写真を探し出して1ページずつ(写真1枚ではなくページ丸ごと削除する仕様)削除しなければならんのだろう」と思いながら、コツコツと消しました。いまでも少し消し残しがありますけど。もうめんどうなので(苦笑)。

 この一件から以降、写真には「Queens of the Ring.com」の透かしを入れるようになったんです。入れるの嫌なんですけど仕方ないです。

 以上のように、BoxRecってかなりアバウトで、無責任で、それだから悪い人たちに利用されたりもしているわけですが、現状でこれ以上マシなシステムもありませんので、それなりの使い方をするしかないでしょう。これがBoxRecの編集者さんたちです。編集者がたくさんいる国のデータはある程度は信用できますが、少ないところのはそれなりと思ってください。

 でもね、新聞や雑誌やテレビのニュースなんかもっとインチキですから。それよりは信じてもいいと思いますよ(笑)。

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2016年11月29日

世界のどこにも「タイ式ボクシング」や「国際式ボクシング」は存在しない いまだに生き残っている誤訳と捏造 一般の格闘技ファンのための100の大事なことがら その27

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写真素材 足成

 今はほとんど使われなくなった言葉に「タイ式ボクシング」というのがあります。

 多分、英語のタイボクシング(Thai Boxing)の直訳なのでしょう。ムエタイの存在はヨーロッパではかなり古くから知られていたようなので、Thai Boxingもそれなりに古い言葉だと思います。100年以上は昔のことばでしょう。

 ここで使われているBoxingはいわゆる「ボクシング」という意味ではなくて「拳法」という意味です。

 中国拳法が「チャイニーズボクシングChinese Boxing」、琉球拳法が「リューキューボクシングRyukyu Boxing」などと言われたのと同じ流れですね。ムエタイを表す英語には「シャムボクシングSiam Boxing」というのもあったようです。いずれにせよ、ここでのボクシングBoxingは拳法の意味です。

 当時は格闘技の種類を表す語彙が少なく、おそらく英語圏には、レスリング、ボクシングぐらいしかなかったわけで、現代ではマーシャルアーツMartial Artsと呼ばれるものまで、何でもかんでもボクシングBoxingと呼んでいたわけです。

 ですから、タイボクシングThai Boxingを「タイ式ボクシング」と訳すのは間違い。正確にはタイ拳法ですね。それならムエタイという意味に使えます。

 ムエタイは決して「ボクシングをタイ式にアレンジしたもの」ではありません。全然なーんにもボクシングとは関係がない別の格闘技です。

 だから、タイ式ボクシングということばは誤訳なのです。

 一方、タイの人が「ボクシング」をなんと呼んでいるかというと「国際式拳法」です。

 で、この言葉にヒントを得て、キックボクシングのテレビ解説をしていた作家の寺内大吉さんあたりが「発明」したのが「国際式ボクシング」という言葉。

 昭和40年代の日本ではボクシングはすごい人気スポーツで、これを「国際式ボクシング」と呼び、並べて「タイ式ボクシング」とか「キックボクシング」といえば、ボクシングつながりで非常に権威があるように思わせることが出来たのでしょう。

 本当は、ボクシングはボクシング、ムエタイはムエタイ、キックボクシングは空手をベースに日本で作られたもので、生まれた背景も技術体系も違うものなんですけどね。

 この辺のことはムエタイやキックの関係の人には当たり前の話なんですけど、一般のファンとかボクシング関係の人にはあやふやなことかもしれません。

 いつも言ってることですが、ムエタイとボクシングにはなんの関係もありません。だから、ムエタイ選手をボクシングに呼ぶのは本当にやめてくださいね

 全然ボクシングになりませんから。危険なだけですから。

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2016年11月13日

一般の格闘技ファンのための100の大事なことがら その26 ムエタイの勝敗は試合前にオッズで決まってしまう?

 読者の皆さんからいただく質問の中にときどき「ムエタイの勝敗は試合前の予想で決まるというのは本当ですか?」というものがあります。

 ムエタイにはギャンブルという側面がありますが、スポーツにお金を賭けるということは日本では馴染みがないので、どうも神秘というか、不思議なイメージがあるようで、こういう質問につながってしまうのかな、と思います。

corner でも、世界中で行われているほとんどのスポーツは、賭けの対象になっています。海外のビッグマッチの記事で「パッキャオの掛け率は○倍」とか「マンチェスターユナイテッドの掛け率は○倍」などというのは誰でも読んだことがあるでしょう。ムエタイだけが賭けの対象になっているわけではないのです。

 で、オッズ(掛け率)というものは、試合の勝敗予想そのもので、勝ちそうな選手には低い掛け率、負けそうな選手には高い掛け率がつくのです。

 つまり、勝ちそうな選手が勝った場合は少ししか払い戻さないよ、負けそうな選手が勝った場合は沢山払い戻すよ、という意味で、だからこそ、負けそうな選手にも高い払い戻しを目当てに賭ける人がいるわけです。

 これがもしも、事前の勝敗予想の通りに結果が出るのなら、負けそうな選手に賭ける人はいないでしょう。そうなるとギャンブルは成立しません。ですから、予想によって勝ち負けが決まるということはありません

 試合の多くは事前の予想の通りの結果になります。しかしこれは、予想が当たっただけの話。予想に合わせて勝ち負けが作られるわけではありません。

 もちろん、ムエタイの試合で勝ち予想がついている選手には、たくさん賭けている人がいるわけで、その分、会場の応援も盛り上がり、ジャッジの採点が甘くなる可能性はあるでしょう。でも、それだって、その選手が全然ダメなら勝ちになるようなことはありません。

 会場人気がある方が接戦で有利になる傾向は判定のあるスポーツではよく見られることで、ムエタイだから、ギャンブルスポーツだからと思うのは見当違いでしょう。

 ギャンブルスポーツというと、何かインチキっぽいイメージがあるかもしれませんが、実はほかのスポーツよりもインチキや不正は少ないのです。

 一度インチキと疑われると賭ける人がいなくなってしまうのがギャンブルスポーツ。ですから、日本の競輪や競馬もそうですが、ムエタイもインチキには非常に厳しい処分がおこなわれます。

 反対に、賭けの対象になっていない日本のボクシングを見ればよくわかりますが、そこでは、あからさまなカマセや、最初から結果のわかるカード、不合理な判定などが山のようにあっても、誰も処罰されないのです。

 ムエタイはギャンブルだからこそ不正が少なく、真剣勝負であるのです。ダマされる心配無しに安心して見られる格闘競技スポーツ。それがムエタイだと思います。

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2016年06月10日

一般の格闘技ファンのための100の大事なことがら その25 世界王座返上を簡単に言う女子ボクシングの非常識 防衛するつもりの無い世界王座へ挑戦するのは無しの方向で

koseki この写真の人物はJBCさんお気に入りの世界チャンピオン小関桃選手(青木ジム)です。撮影時期は今年の3月。

 昨年の10月22日のWBA/WBC女子世界アトム級王座統一戦に勝利して2本のベルトを持っているはずなのに、この日、彼女はWBC1本しか持たないで後楽園ホールにあいさつに来たのです。

 このときにイヤな予感はしましたが、やはり小関選手はWBAの王座を返上したそうです。一度の防衛戦もしないで。

 世界王座を防衛しないで捨てるなんて、常識的に有り得ないことです・・・。

 防衛する気がないなら、どうして統一戦をしたんでしょう?宮尾選手と戦いたいだけなら最初からWBCだけをかければ良かったじゃないですか。統一戦じゃ無しで。

 トップボクサーが命がけで奪い合うチャンピオンベルトはおもちゃではありません。取ったからもういいや、ってわけにはいかないんですよ。

 二つの団体に認定料を払う金銭的な余裕がないのかもしれませんが、そんなことは試合前からわかってたじゃないですか。いまさらお金が無いから返上なんて通りません。

 特に統一戦は、勝った王者に両団体のその階級の価値を高める義務があるんです。王者がこの階級を盛り上げてくれることを期待して認可された統一戦なんですから。片方だけイラナイなんて、その団体の価値を否定するのと同じ。失礼な話ですよ。

 両方とも返上するならわかります。が、片方だけ返上するのはそのベルトをディスってるってことです。

 WBAのこの階級はこれからどうすればいいんですか?この階級のベルトは小関選手が捨てたベルトになったんです。そんなベルトを次に巻く人は立場ないですね。

 性転換手術を受けるとかの真道ゴー選手も、藤岡選手に勝ってWBO王者になったら返上する予定だそうですが、ボクシング好きなら世界王座返上なんて、とても出て来ない言葉だと思います。

 なんで女子ボクシングって王者の自覚が無い人が多いんですかね?もともとボクシング好きではないんでしょうか?ほかにやることなくてやってるだけですか?迷惑なんですけど、そういうの。自分探しとかならほかでやってください。こっちはプロの試合が見たいんで。

 今後は、防衛戦無しの身勝手な返上は剥奪扱いにするべきだと思います。

 返上前提ならタイトルマッチしないでください。気軽に返上されるベルトに価値なんて生まれるはずがありませんので。

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2016年05月27日

一般の格闘技ファンのための100の大事なことがら その24 どうしてボクシングや格闘技の選手は身近な相手にばかり礼を言うのか? あるいは謝罪するのか?

 「ファンのみなさんありがとう!」「この勝利はサポーターみんなのおかげです!」Jリーグの勝利者インタビューでよく聞くことばです。これはサッカーでは当たり前で、言わない選手はほとんどいません。

 それにくらべて、後楽園ホールのボクシングや格闘技の選手はマイクを向けられて感謝の言葉を口にするときでも「ありがとうございます」とは言っても「ファンのみなさん、ありがとう」とハッキリ言葉にするひとはあまりいないですね。

 ご存知のとおり、後楽園ホールの客席は1700程度。これに比べてサッカー会場のキャパは何万もあります。

 その何万席がお客さんで埋まれば黒字ですが、逆に空席だったら大赤字。自分のチームが赤字だったら、来季の報酬の交渉もかなり困難になるでしょう。いい年俸がもらえないとそれはそのまま自分の選手生活に直撃です。

 だから、サッカー選手はお客さんのことはいつも気にしています。入場料収入のことや、スポンサー収入の仕組みも知っているので、そういう気持ちが言葉に出ます。

 でも、ボクサーや格闘技選手の多くはそれで生活をしているわけではありません。だから、あまり大会の運営面のことには意識が行きません。

 そんなわけで、やっとタイトルを取ったばかりの格闘技選手のあいさつはこんな感じです。「おかげさまでここまで来れました。丈夫に育ててくれた両親に感謝します。応援に来てくれた職場のみんなありがとう!」そして選手やジムから直接チケットを買ってくれた応援団に一礼して退場。

 その後、タイトルを何度か防衛するころには、大会運営のためにジムの会長さんがいろいろおカネに苦労してるとか、後援会や地元の事業者のひとがおカネを出してくれているとか、そういうことが見えてくるのであいさつも「ジムの会長、後援会のみなさん、いつもお世話になってる(スポンサーの)◯◯さん、本当にありがとうございます。そして、応援のみんなありがとう!」という感じになっていきます。でも、依然として一般のファンへの感謝は見られないのが普通。

 ほとんどが身近な人へのお礼ですが、そのことばはどうしてもリングの上で言わなければならないものでしょうか?

 両親や、応援団や、会長や、後援会や、スポンサーさんには、あとでいくらでもお礼を言えるじゃないですか。直接、相手の顔を見ながら。

 しかし、一般のお客さんはいましかそこにいないのです。だから、実際に応援してくれたかどうかは別にして、とにかく試合を見てくれた客席のみなさんにお礼を言うのが本当は一番の優先事項です。

 きっちりお客さんにお礼を言えば、次からも応援してくれるかもしれませんし、帰りにツイッターで「いい試合だった」とつぶやいてくれるかもしれません。

 ファンを増やす一番のチャンスは試合直後なのです

 もう一度書きますよ。ファンを増やす一番のチャンスは試合直後なのです

 プロはその機会にファンを増やさなかったら次のステップに行けません。「ファンのみなさんありがとう!」これを言わないでスターになったひとはいません。試合を見てもらえるのはありがたいことなんです。

 だって、次のステップはもっとおカネがいるのです。だから、もっと大きなスポンサーさんを見つけなくてはなりません。そして、大きなスポンサーさんは、自社のイメージを高めるために選手の人気や好感度がほしいのです。

 もう一度書きます。大手のスポンサーさんは選手の人気や好感度がほしいのです。

 数年まえ、某ジムにはとてもいいスポンサーさんがいました。ドカッと資金を出してくれるので、会場を押さえたり、豪華なパンフを作ったり、スポーツ専門チャンネルの枠を買ったり、ほかのジムがうらやむようなことがいろいろ出来ました。

 あるとき、会場にスポンサーさんがやって来て、来賓あいさつのためにリングにのぼったとたん、その表情がくもりました。目の前で、お客さんが帰っていくのです。

 まだこれからメインが始まるというのに、さらにお客さんは帰り続け、会場のガラガラはどんどんひどくなり、スポンサーさんの表情はさらにこわばっていきました。

 そして、この大会のあと、スポンサーさんはジムを離れました。

 大きなスポンサーさんは、趣味や道楽や会長との友情でおカネを出してくれるのではなく、自社のブランド力アップにスポーツ選手のイメージが有効だと判断しておカネを出しているのです。

 だから、目の前でぞろぞろと100人、200人のお客さんが帰ったら、スポンサーさんは撤退を考えるわけです。人気のないジムにおカネを出してもなんにもなりませんから。

 お客さんひとりひとりの出すお金は数千円からせいぜい1万円、2万円。

 ホール規模の会場なら、チケットの売り上げを全部あわせてもスポンサーさんたちの出すおカネより少ないかもしれません。

 でも、そのひとりひとりのお客さんを大事にしないと大きなスポンサーさんはいなくなっちゃうんです。もちろん、テレビや雑誌の取材も来ません。人気のない、知名度の低い選手に力を貸してもなんにもならないからです。

 いい試合をして勝ったなら、ハッキリとお客さんに好感を与えてファンになってもらうところまでがプロの仕事。

 スターと呼ばれる選手は、2階席や、3階席や、一番遠くのお客さんにまでしっかり顔を向けて手を振ります。お客さんの歓声がスポンサーを呼び、さらに大きなチャンスにつながることを彼らはわかっているからです。

 身内はもともと味方なんですから、お礼は後回しでいいんじゃないでしょうか?

高野_人母美

 こんな記事を書いている途中に、高野人母美選手が自身の非常識な言動により謝罪しなければならない立場に置かれるという事案が発生しました。

 例によって当ブログはウラの事実関係は関知しませんが、オモテの経緯だけを見ればあまりにも会長さんに対して礼を欠いた行動でしたので、会長さんへの謝罪は当然だと思います。

 でも、一般のファンへのことばも同じぐらいに大事だということを忘れないでもらいたいと思います。

 高野人母美選手はいまのボクシング界ではたぶんナンバーワンのCM出演数を持っているでしょう。

 それは高野選手にとても大きな好感度があるからです。

 その好感度を保つために一般の人々に向って「ファンのみなさん、すみませんでした」と頭を下げる必要があるのです。今回のことは単に会長と選手の問題ではないのです。

 実際にチケットを買ってくれる人は数百人かも知れませんが、それは氷山の水面上の一部であって、全国には潜在的ファンがいたるところにいるのです(ホールの数百人だけがファンならば、ボクシングや格闘技を伝えるメディアは存在しないでしょう)。そのひとたちのことを忘れてはプロはお仕事が出来ません。顔の見えない多くの潜在的なファンこそ、人気選手だけが持つ宝なのです。だからそのひとたちのことを大事にしましょう。

 人気商売ってそういうものでしょう。

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2016年05月08日

一般の格闘技ファンのための100の大事なことがら その23 打撃系選手がMMAにいくときに問題になること または土台からの再構築の話

 キックで有名なあのひとが今度MMAに行くらしい、とか、ムエタイチャンプのあの選手もどうやらMMAに参戦するらしい、とか、依然としてそんなウワサがたくさん流れる今日この頃、打撃系ファンのみなさま、いかがお過ごしでしょうか。

 今回は、打撃系選手がMMAにいくときに、問題になることについて書きたいと思います。

 と言っても、むかしからのお決まりの「寝技対策」とか、そういうことではありません。技術論は当ブログでは無理ですし(笑)、こんなところでそんなことを読みたい人もいないでしょう。

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 ひとくちで言えば、MMAにいくときの一番の問題は「打撃の選手は引く力が弱い」ということです。

 打撃に使う力は「押す力」。手や脚を前やうしろに押し出すことが、突きや蹴りという運動です。回し蹴りも、バックブローも円周上に脚や手を押し出す運動です。ですから、打撃系選手は普段のトレーニングで主に押す力を身につけています

 これに対し、組み技はほとんどが「引く力」です。相手と組んで逃げられないようにロックしたり、スリーパーで首を絞めたり、相手の腕を伸ばして十字を決めたりする動きは引く運動です。

 MMAではこの両方のパワーが必要なのですが、打撃系選手の多くはこの引く力がビックリするくらい弱い人が多いのです。

 それは一つには体重制限のせいです。しぼって打撃に必要な筋肉以外の一切の無駄を削ぎ落とした肉体が、打撃系選手のあのボディ。ですから、打撃に不必要な「引く筋肉」はあまりありません。

 また、押す力と引く力はまったく反対方向の筋肉が担当しているので、打つ力=押す力を最大限に発揮するためには反対方向の筋肉がじゃまになります。ですから、すぐれた打撃系選手ほど引く力が弱いという傾向があるようです。

 ということで、打撃のひとがMMAに行く場合は、いままでは故意に無視していた別系統の筋肉を身に付け、その使い方を学ぶことから始めなくてはなりません。

 パンチとキックは出来るからあとは組みを覚えるだけ、という簡単な話ではないんですね。

 ある打撃系選手が新しいトレーニングで新しい筋肉を身につけ、MMAの準備をしたとします。その場合、もうそのひとの体は打撃専門だった時とは違うバランスになっています。

 新しく「引く筋肉」をつけて体重を増やした場合は、当然もとの階級よりも重くなっていますし、体重を維持しながら「引く筋肉」を付けたのなら、その分「押す筋肉」は減っていることになります。どちらにしても、以前の体ではありません。

 ですから、MMAにいくときは、ある意味、もう打撃系には戻らないぐらいの覚悟が必要だといわれています。

 だれかがMMAに進出するというニュースを聞いたら、そういう覚悟をしているんだな、と思ってください。少なくとも「新しい技を覚えればいい」みたいな気楽なことではないってことです。

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2016年05月05日

一般の格闘技ファンのための100の大事なことがら その22 外国との対戦を冷静に見ることは難しい 戦いのプロの軍人でも冷静な分析は出来ない

 お気に入りの選手が戦っている試合はドキドキして非常に興奮しますね。なかなか冷静には見られませんが、一般のファンにとって、冷静に見られなくても好きな選手が勝てばなんでもいい、というのは一つの真実です(笑)。

 しかし、善戦虚しく勝利が訪れなかった場合・・・結果がKOなどの明白なものなら納得するしかありませんが、微妙な判定で負けたりすると「え?そんなポイントなの?」「こっちの攻撃が過小評価じゃない?」と不満に思うことも多いです。

 お客さんは娯楽としてお金を払って見ているわけで「なんだよ、ヤオ判定かよ」と文句のひとつも言って終わりにしてもいいのですが、本当にその選手の次戦や、あとに続く選手のことを考える場合は、客観的な試合の分析はやっぱり必要でしょう。

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 試合の採点を意識しながら見るときの基本はどちらかの選手ばかりを見ないで、視点を両者の中間に置き、パンチやキックそのものを見るのが正しいとされています。

 これは知らない選手の動画などを見ながら練習すると何回かやるうちに誰でも身に付きます。そうなるとパンチやキックの命中率などを冷静に見ることが出来、だんだんポイントの判定も読めるようになります。

 しかし、それでもやっぱり、日本人選手と外国人選手が戦っている場合などは、どうしても冷静さを無くして日本側をひいきしてしまいますね。

 野球やサッカーの国際戦でもかなりの熱狂が生まれますが、格闘技の場合は直接的に相手と打ったり蹴ったりという種目ですから、さらに思い入れは大きくなり、冷静に見ることはとても困難になるんです。

 格闘技よりもさらにドギツイ話ですが、戦争で自軍が勝っているのか負けているのかという判断は、プロの軍人さんでもかなり難しいことのようです。軍人さんも人間ですので、自分の部下が死んだり傷ついたりする戦闘では、相手にはもっと多くの被害があったはずと考えてしまうということですね。

 第二次大戦後、アメリカ軍と日本軍の両方の戦果記録を相手の被害記録と比較し、それがどのくらい正確だったか調べたという話があります。

 その結果は、どちらの戦果報告も実際の被害の4〜5倍。両軍ともにあまり冷静な判断は出来てなかったんですね。

 その、戦果誤認のもっともひどい例が大戦末期の『台湾沖航空戦』でした。この戦いで日本の海軍は航空戦力のほぼすべてを失う大損害を受けましたが、相手にはもっと損害を与えたはずと思い込み『アメリカの空母はほとんど全滅』と発表しちゃったのです。

 空母が全滅ということは、そこに積んであった飛行機も一緒に沈むか海に不時着して全部失われたということです。

 アメリカの飛行機に苦戦していた日本の陸軍は、この発表を信じて「海軍がアメリカ機をやっつけてくれた今こそ反撃のチャンスだ」と判断、フィリピンのアメリカ軍基地を襲ったところ、海軍の発表はまったくの誤報でアメリカの飛行機は大部分が健在、空を埋め尽くすほどのアメリカ機が日本陸軍に襲いかかり、数万人の部隊がほぼ全滅する悲劇となりました。

 このように「勝ったはず」「相手よりこっちが強かったはず」という思い込みは、つぎの戦いに良くない影響を残します

 外国で判定負けにされた試合は、本当にホームびいきのインチキ判定だったのか、自分のほうには足りない部分はなかったのか、ということをクールに判断しないと、次の試合も涙を飲むことになります。

 相手を見くびってはいけません。むこうだって必死なんです。


★戦いの勝ち負けの判断にはプロの軍人でも温情が入り込む。

★「本当は勝っていたはず」と言ってもなにも生まれない。


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2016年04月30日

一般の格闘技ファンのための100の大事なことがら その21 ブルース・リーは飛ばない または ネット情報のムラはどうして生まれるのか?

 このシルエットを見てほとんどの人は『ブルース・リーだ!』と一発で分かるでしょう。

 ブルース・リーさんはどの映画でもこんな飛び蹴りをしてますから。『ドラゴン危機一髪』、『燃えよドラゴン』、『死亡遊戯』でも。

 しかし、ブルース・リー夫人のリンダさんは「ブルースは飛び蹴りなんてしませんでした」「ブルースが飛ぶのは映画の中だけです」と言っています。

Bruce-Lee-jump
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