女子格闘技

2015年10月02日

日本女子ボクシングの深まるナゾ どうしてみんな短髪?

 Boxing

 いろんなスポーツを見ていて不思議に思うのは、日本の女子ボクシングの選手はなぜ髪が短いのだろうということです。

 一般にスポーツ女子の髪の毛の長さは、西洋では全般にどんな競技でも長く、東洋に来るほど短くなるといわれています。そして、日本も東洋各国の例に漏れず、いくつかの競技で短い選手が目につきますね。

 日本のサッカー女子は短髪選手がかなり多い印象ですが、実際には長い選手も多く、短い短いと言われることが多いバレーボールでも、ボクシングのような超ベリーショートの選手は見かけません。ボクシングだけが特に短いのではないでしょうか。

WBC女子総会

 相手選手と直に接触するコンタクトスポーツだから短くしているという意見もありますが、柔道、空手などの選手は同様の格闘技ですが短くありません。

 練習のときにヘッドギアをつけるのでロングはジャマになる、という説もありますが、同じようにヘッドギア必須のレスリング、テコンドー、キックボクシング、ムエタイの選手は短くありません。面をつける剣道女子の多くもロングヘアです。

 このページの画像はWBCさんが昨年開いた女子総会のポスターです。写っているのは現在と過去のWBCチャンピオンのみなさん。ごく普通の女子のヘアスタイルですよね。

 現在のWBC、WBA、WBO、IBFの女子チャンピオンの中で、日本人以外の短髪の人を思いつきますか?思い浮かばないでしょう。実際、ほとんどいないのです。世界では、ボクサーだから短いという傾向はありません。

 トップクラスのプロ選手でショートカットで長年通しているのはレイラ・マッカーター選手ぐらいだと思います。

 メキシコのジャッキー・ナヴァ選手は若い頃はいまの日本選手ぐらいのベリーショートのツンツン頭にヘアバンドがトレードマークでしたが、肩まで届くフェミニンなロングにしてから人気爆発、いまの地位を手に入れています。もちろん、実力があるからのスーパースターですが、見た目のイメージも人気のひとつでしょう。

 日本の女子ボクサーがどうしてみんな短髪にしたがるのか分かりませんが、だれかひとりや二人や三人や四人ぐらいは「髪を伸ばしてみよう」と思う人がいても良いのではないでしょうか?髪型ぐらいならすぐにでも変えられるのですから。

 プロボクサーは人気商売です。みんな同じコスチュームで同じヘアスタイルではどうやって覚えてもらうんですか?

 女子ボクサーの皆さんは短い髪が好きなのかもしれませんが、好きな髪型にするのは引退してからでも遅くはないのです。

 もっとコスチュームやヘアスタイルでアピールしましょう。それがプロの世界です。

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2015年09月01日

『ジョシカク』ブームは無かった それは利権作りのためのアピール & メディア受けする特性による幻影 一般の格闘技ファンのための100の大事なことがら その5

 第5回の今回は『ジョシカクブームは無かった 利権作りと宣伝効果』です。
いまの人はもうご存じないと思いますが、格闘技界にはひと昔前に『ジョシカク』という言葉がありました。女子格闘技をそのように呼んで、ブームを作ろうとしていたんですね。

 いま検索しても「ジョシカクブーム」でヒットするページは多く、本当にブームにしたかったんだなあというのが伝わってきます。

_MG_4263

 しかし、わたしたちも当時はその会場に数多く足を運びましたが、ブームと言われるような現象は一切見たことがありません。ただ、2回か3回ぐらい、「おっ、これから何かが始まりそうだ」と感じさせる大会はありましたが、どれもそこから人気に火がつくということは無く、すべて不発のままでした。

 そのように書くと「おかしい」「そんなはずはない」と思う人は多いでしょう。当時は格闘技雑誌をはじめ、一部のテレビやネットを巻き込んで、ジョシカクブームの文字はあふれかえっていましたし、山のような情報が流通していましたから。現場に行かないでそれらのものだけを追っていたら、本当にブームがあるように思ったでしょう。

 その種明かしのひとつは、まずこういうことです。

 かつて日本にはプライドさんとK−1さんという誰でもが知っている巨大格闘イベントがあり、そこには途方も無い巨額のお金が流れていました。格闘業界のひとだったら誰でもそれに関係したいと思いますよね。だって、本当に景気のいいイベントでしたから。

 しかし、だれでもがそこにからめるわけでもなく、多くの人がただ憧れてそれを見つめるだけでした。けれども、あることを思いついた人たちがいました。プライドさんがまだやってないことを別の格闘技イベントでやればいいんじゃないか?プライドさんがまだやってないこと?それは女子だ!!

 というわけで、1990年代から、ちょくちょく女子だけの格闘技大会が開かれはじめました。その関係者さんたちは自分たちがやっている女子格闘技が軌道に乗ったとして、そのあとにプライドさんやK−1さんが女子に扉を開けたらきっと爆発的な話題になり、自分たちに勝ち目が無いことを分かっていました。

 そこで始まったのが「女子は女子だけでやるべき」キャンペーンでした。彼らの言い分は「女子選手の試合は男子の試合のなかでやるとかすんでしまって良さが伝わらないから女子は女子だけでやるべきだ」という、ロンダ・ラウジー選手がUFCで大活躍している今では冗談みたいな理屈でしたが、活字の魔力というやつで、当時の格闘技雑誌で繰り返しその理論(笑)を読まされると、多くの人が信じたのでした。

 すでにテレビ局関係者を中心に、その利権が固まっているプライドさんなどにかかわることの出来ない業界人のみなさんは『女子だけ大会』という新利権が軌道に乗ったあとにオイシイ思いをさせてもらうべく、この「女子は女子だけキャンペーン」に積極的に協力します。

 特に、当時の格闘技メディアはこの新利権構築のために、来る日も来る日も女子特集。ありもしないジョシカクブームをあおりました。

 しかし、その実体はふたつもみっつも団体が旗揚げされても出る選手が存在せず、エキシという名の練習試合で水増ししたり、シロウト同然の子を無理矢理つれてきてリングに上げるという無法地帯。脅されて怖かったから出場しましたと告白する選手もいました。

 当時、都内のジムで練習していた女性なら年齢・キャリアに関係無く「試合に出てみない?」と誘われたことが一度や二度はあったでしょう。それくらいのデッチ上げのイベントだったのです。

 そのうち、選手たちのなかには「女子は女子だけ」路線に疑問をもつ者もあらわれました。「わたしだってプライドに出たい」「Kー1に出たい」というわけです。当然ですよね。

 これを「女子は女子だけ」の利権が欲しい一派は「自分勝手」「非常識」と批難しますが、時代の波には勝てず、ひとつ、またひとつと男子の大会でも女子の試合が組まれはじめ、ここから「第二期ジョシカクブームに見えるもの」が始まりました。

 つまり、男子の大会で戦う女子選手が非常に目立って見えたのです。これに飛びついたのが一般のスポーツ紙の記者さんたち。格闘技雑誌系の「女子は女子だけ利権」とはまったく関係の無い人たちです。

 スポーツ紙の記者さんたちは男子の大会で戦う女子選手の記事を写真付きで載せました。マニアだけが読む格闘技専門誌ではなく、一般のスポーツ紙に載ることの影響力は絶大でした。

 ある格闘技大会で全部で試合が11あったとして、そのうちの6番目の試合だけが女子だったとしても、スポーツ新聞は女子の試合をメインに記事を書きました。というか、男子の試合を全部無視して女子の試合だけ掲載したりもしました。

 これは読者の反響の多さと、「紅一点の女子選手が」的な記事の書きやすさから起きた現象で、会場ではあくまでもメインは男子だったのですが、事情を知らない人たちはまるで男子の大会を女子が乗っ取ったように見えたでしょう

 この現象は団体の主催者さんにとっても歓迎するべきことでした。すべてが男子の試合のときは結果欄に小さく勝ち負けが出るだけなのですが、女子マッチをひとつ組むだけで着実に記事が大きくなるわけですから、宣伝効果はバッチリなのです。

 このようにして、初期には「女子は女子だけ」キャンペーンと連動した雑誌記事が、後期には男子団体に進出する女子選手をフォローする新聞記事がつぎつぎと書かれ、はた目から見るとジョシカクの大ブームが継続的にあったように見えたのでした。

 しかし、現実には女子だけの総合格闘技団体で軌道に乗ったものはひとつも無く、度重なるファイトマネー不払いなどの不祥事を繰り返してそのほとんどが消滅。男子大会に女子が進出する流れも、新鮮味が薄れて失速しました。

 当時の格闘技雑誌やスポーツ新聞にあふれるジョシカク関連の記事を、その本質を誤解したまま指をくわえて見ていたであろうボクシングの関係者さんたちは、JBCさんが女子を解禁したとき、今度は女子ボクシングだと意気込んだようですが、それはまったくの見当違いだったわけです。

 当ブログでは何度も何度も女子だけのボクシング大会は無理だと説明したのですが、メディアからの刷り込みがあまりにも強力で、関係者さんたちは、女子だけ大会で大成功というありもしない幻想を追いかけてガラガラの赤字興行を繰り返しました。(写真は空席だらけの後楽園ホールでおこなわれた多田悦子 VS ノンムアイ戦。あまりにひどすぎて客席の写真はアップ出来ません。)

 どんなことでもそうですが、現場に行かないとものの本質は見えて来ないのです。ジョシカクブームは無かったのです。

・プライドやK1に絡めなかった業界人が、別個の新利権を作ろうと画策したのが『ジョシカク』

・『ジョシカク』は格通などの格闘技雑誌が根気よく仕掛け、次々に『女子だけ団体』は生まれたが、ほとんどが短期で消えた

・女子だけ団体に限界を感じた女子選手が男子団体に参入するようになると今度はスポーツ新聞が取り上げたが、それは『紅一点効果』であり、女子だけ団体の成功ではなかった

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2015年01月10日

センターを奪ったのはムエタイエンジェルス優勝のチョンマニー・ソー・テヒラン ムエタイ専門誌『ムエサイアム』 ムエタイ女子

 MuayThai

Chommanee_3
 タイのムエタイファンの必需品とも言える週刊『ムエサイアム』の新年号(写真上)がちょっとした話題になっています。

 それはムエタイ選手なら誰もが掲載を夢に見る同誌のセンターページを『ワールドムエタイエンジェルス』の第一回優勝者チョンマニー・ソー・テヒラン選手が奪ってしまったからです。

Chommanee_7 女子選手の掲載はいままでもありましたが、記念すべき新年号のカレンダーページを彼女ひとりだけで独占したのはびっくり。

 しかも同誌の別冊の『ムエサイアム・エクストラ』でもチョンマニー選手が8ページにわたって特集され、付録のポスターもチョンマニー選手というチョンマニー祭り状態。もう一枚のポスターが井岡選手に勝ったボクシング王者のアムナット選手をはじめ、あのブアカーオ選手など5人の男子選手がひとまとめなのと比べるとチョンマニー選手の扱いが特別中の特別だということが分かると思います。

 ことしの『ワールドムエタイエンジェルス』の前アオリとしての企画だということは分かりますが、それにしても過熱していますね!

Chommanee on this week's Muay Siam magazine's center spread
Muay Siam Extra magazine features 8 pages on Chommanee(with Chommanee poster calendar)

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2014年08月14日

『クイーンズカップ』は「世界最大の女子ムエタイの祭典」ではありません

 Muay Thai

 QRでは『クイーンズカップ』について過去に何度か簡単な説明をしましたが、最近ひどく誤解をうみそうな記事がYahoo!ヘッドラインにのってしまったようなので、ここでもう一度おさらいをしたいと思います。

 まず、クイーンというのはタイの王妃さまのことであり、女子ムエタイ選手のナンバーワンという意味ではありません。

 国民と王室との関係が非常に良好なタイでは王族のひとたちの誕生日はとても大切な日であり、それをお祝いするムエタイの大会として『キングスカップ』や『プリンスカップ』『クイーンズカップ』があるのです。

 ですから、『キングスカップ』や『プリンスカップ』の日とおなじく、『クイーンズカップ』でも男子のムエタイの試合もあれば女子の試合もおこなわれます。決して「女子ムエタイの祭典」ではないのです。

ムエイン・アソシエーション

 この日は要するに「お祭り」であり、公式なタイトルマッチを別にすれば特に『クイーンズカップ』の試合の権威が高いわけでもありません。ただ、ふだんは見られないような思い切ったマッチメークがあるのでファンには楽しみな大会となっています。

 また、『クイーンズカップ』は王妃さまの誕生日の8月12日近辺にタイ全土のあちこちで開かれる大会がそれぞれに名乗っている名称であり、特定のひとつの大会ではないのです。

 たとえば伊藤紗弥選手が出場した12日の『ワンソンチャイ・クイーンズカップ』の同じ時刻に、同じ王宮前広場で、もうひとつの大会がありました。上の写真がそうです。

 これは『ムエイン・アソシエーション』という女子ムエタイの団体が主催した大会で、女子の試合だけを12試合おこないました。先日、シュートボクシングのGirl's S-cupで活躍したティーチャー選手も出場するなど充実したカードだったようです。

 ワンソンチャイ・クイーンズカップが天井もない質素な小さいリングで、照明も少なかったのに比べて、こちらはリングも花道も大きく、照明も明るく、お客さんもたくさんいて、一番豪華な大会でした。

 しかし、ことしのクイーンズカップで一番権威のある試合は、8日におこなわれたサイファー・ソー・スパーラット選手とファリダ・オキコ選手のタイトルマッチでしょう。なにしろ世界王者同士のタイトル戦でしたから。

 長くなりましたが、『クイーンズカップ』というのはムエタイのお祭りであり、そのなかの『ワンソンチャイ・クイーンズカップ』は女子専門の大会ではないし、最大の大会でもないし、最高の権威でもないということです。

 いつもの結論ですが、試合の価値とは強いもの同士が戦うこと、ですね。

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2013年02月08日

格闘技女子の先駆者 山口香さんと柔道界のゴタゴタ

 日本の女子格闘技の先駆者と言われる人は何人か存在しますが、業界の都合で祭り上げられている人や、マスコミ的なキャッチフレーズではなくて、本当の意味でそう呼ぶべき人は元祖YAWARAちゃんこと山口香(やまぐちかおり)さんだと思います。

 今でこそ柔道女子は女子スポーツの正道中の正道として認められていますが、山口香さん以前の日本では「柔道に女子はいらない」「女子がやる意味が分からない」と公然と言う人がほとんどで、女子の柔道に理解を示す人など単なる物好き扱いだったそうです。

 しかし、彼女が日本の柔道女子の歴史上初めて世界柔道で金メダルをとってから世間の意識は変わり、女子の柔道は意味がないなどという人はいなくなり、オリンピックの人気種目にもなりました。

 最近で言えばなでしこJAPANのような役目を果たしたわけです。

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 でも、人気種目になることでかえって歪みが出て来るようにもなりました。たとえば、北京オリンピック直前の世界大会。このとき48キロ級では長年エースの座にあった谷亮子選手をやぶって福見友子選手が日本一となっていたにもかかわらず、日本代表に選ばれたのは谷選手という不可解な人選がなされました。

 日本一の選手を世界への代表にするという原則を曲げて「国民的スター」の谷選手の人気を優先した選手選考だったわけですが、これに正面から批判をしたのが山口香さん。

 「フェアな人選をするべき」「スポーツで大事なのは最低限のモラル」「こんなことをしているとファンが離れていく」「若手が育たない」と的確に問題を指摘。

 当時、柔道界の中にあって、これほどきちんと言うべきことを言ったのは彼女ただ一人であったと思います。

 今回、柔道女子選手に対する指導者の暴力や嫌がらせの問題に対して「指導者を告発した選手の名前を公表しろ」などと精神が壊れているとしか思えないことを言う人もいるようですが、山口さんはその異常な要求を却下し「不必要な公表はしない。選手を守っていく。」と明言しました。

 嫌がらせなどの被害の経験のある人なら、山口さんの言葉の意味は分るでしょう。守ってくれる人がいなければ、被害者はさらにもう一度被害者になってしまうのです。

 今回のことで、誰が正しいとか、正しくないとか、本当の狙いは何かとか、問題のスタート地点からズレた興味本位な報道が今後いろいろ出てくると思います。

 でも、格闘技のファンにとって、そんなことはどうでもいいこと。大事なのは選手と競技。とにかく「現役の選手」を大事にしてほしいと思います。

 結果的にしわ寄せが来るのが選手ということにならないことを心から関係者の方たちにお願いします。

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2012年02月18日

女子キック、女子ボクシングの魅力を考える

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 女子のキックやボクシングが偏見なくファンの人たちに見てもらえるようになるには「面白い試合をする」ことが一番だと思います。そしてそういう試合の存在を知ってもらうことも大事です。

 ですからわたしたちは試合のレポートをなるべく丁寧に書いたり、写真をたくさん載せたりします。動画をたくさん貼ったりします。

菊川未紀 vs 塚下真理

 「どうして女が戦うのか」とか「試合の裏に隠れたストーリー」という切り口からは格闘技の面白さは伝わりません。それは格闘技の本質ではないからです。女が場違いなものに挑戦する、苦労と涙の物語、そんなものは格闘技じゃなくたって他にいくらでもあるじゃないですか。

 格闘技の面白さはそういうことではなくて、そもそも、格闘技とはなにか?どうしてそれは生まれたのか?ということに関係があります。

 結論から言えば格闘技は「強くないひとのために生まれた」のです。

 何もやってなくてもナチュラルで強いひとってときどきいるじゃないですか。身体能力がすごかったり、規格外のボディーサイズだったり。そういうひとには格闘技はいらないんです。最初から強いんですから。

 そういうひとじゃなくて、ごく普通の人、あるいは普通よりも弱い人のために生まれたのが格闘技、格闘術、マーシャルアーツだと思うんです。普通の人はナチュラルで強いわけではないから、戦う時には「(ワザ)」や「」や「アート()」が必要となってきます。そこが格闘技の出発点でしょう。

 例えば、ボブ・サップさんみたいな人がやっているものは格闘技というより単なるパワー比べ、頑丈さ比べのフィジカルショーですね。ボクシングやキックには、時々そういう「格闘技じゃない人」が紛れ込んでしまいます。

 なぜかというと、そういうショーを好む人も少なくないからです。そして、そういう世界が好きな人たちはあんまり女子格闘技には興味が無いかもしれません。それはそれでいいと思います。だって、女子はそういう方向には向きませんから。

 一般論として、女子はナチュラルな状態では「格闘」には適しません。筋力や瞬発力がもともとあまりないからです。ですから、そこに「格闘技」の「技」「術」「策」の部分が大切になってきます。

 もちろん男子の選手がみんなパワー頼りということではなく、素晴らしい技巧を持った選手がたくさんいます。でも、女子よりも男子はもともと格闘能力がありますから、せっかくの技術を徹底的に磨かないで、最後の部分ではフィジカル勝負に出てしまうようなこともあります。せっかくいい技術を持っている選手がなぜか途中から一発頼みのギャンブルファイトになっていたり。そういうのは格闘技ファンとしてはとっても残念。もったいなくて、けっこう凹みます。

高橋藍 vs 魅津希

 サッカーでも同じようなことが言えます。フィジカルで諸外国に劣る日本のサッカーの生きる道は、つないで、回して、連携する丁寧なサッカーしかないと言われています。しかし、男子代表は苦しくなるとときどきそのことを忘れて、無理な突破や、届きもしないロングボールを放り込んだりしてファンをガッカリさせたことは二度や三度ではありません。

 一方、なでしこジャパンは強引な突破やロングボールを封印し、ひたすら技を磨いて世界を征しました。そして女子スポーツの面白さを人々に気付かせました。

 バレーボールでも男子はパワーとスピードが強すぎてラリーの応酬にならないので女子の技術戦のほうが見て面白いというファンは多いようです。

 ゴルフも男子のプロは一般のゴルフファンのお手本としてはスーパー過ぎるので、女子のほうが見ていて参考になるという声をよく聞きます。

 男子に比べてパワーやスピードが無いということは女子スポーツのマイナスの一面ではありますが、それは逆に、面白さとして反映されることもあるのです。

 本来は戦うことにそれほど向いていない女性たちが、それでも戦おうとして技や術や策の部分で全力をあげて対抗し競い合う。そして、それが見ていて分かりやすいのが女子格闘技の面白さです。

 女子格闘技はまだまだ層が薄いこともあって、男子でときどき見るような超人的な選手や、神業のようなスーパーファイトに出会うことはありませんが、等身大の人間が、ワザやセンスを必死に磨いて等身大以上になっていくドラマならここにはたくさんあるのです。そして、それこそが単なる「格闘」じゃなくて「格闘技」の面白さだと思うのです。
カメラ 野口昌克  

関連記事 女子格闘技の魅力

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2011年09月17日

エスカレートする試合前の舌戦を考える

 ちょっと前まで女子選手の試合前のインタビューというと、自分がどういう試合をしたいとか、自信があるとか、絶対勝つとか、そういうパターンが多かったんですが、最近はもっと刺激的な内容に変わってきているようです。

 まあ、うちのブログに載るような試合は学生の競技会や市民体育会とは違うんで、絶対ボコボコにする、宇宙までぶっ飛ばす、ぶっ殺す、ぐらいはプロの前アオリとしてはありだと思いますし、プロである限りはある意味そういう部分は必要不可欠かもしれません。殺気や野性味や毒が失われたプロ格闘技なんて炭酸の抜けたコーラみたいなもんですから。

 けれども、対戦相手を過度に攻撃するような、聞く人がいやな気持ちになるような、そんな言葉のやり取りは勘弁してもらいたいなと思います。

 ちょっと前に某男子ボクサーが相手を口汚くののしってファンがどん引きなんてこともありましたが、そういう男子の悪い部分を女子がまねる必要は無いでしょう。

 もっとも、QRが心から尊敬するモハメド・アリさんなんかも若い頃は「おれはハンサム、おまえは醜い」などと言って相手を挑発したりもしましたが、真面目に言うのではなくて大げさな表情でふざけながら言っていたのでまだ救いはありました(あんまり趣味がいいふざけ方じゃなかったのですが...)。

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 でも最近の女子格闘技ってマジなんだか冗談なんだか分かんない感じのやり取りが多くて、これはマズイほうに行きそうだなあと、ときどき心配になります。。

 もちろん、表に出ている言葉のやりとりが全部本当かどうかはわかりません。マネージャーさんや広報さんや記者さんの創作かもしれないし、実際のことばをかなり盛っているのかもしれません。でもやっぱり女子が相手の年齢やルックスを言うのはだめでしょう。ねちねちと相手の実績をけなしたりするのも。

 少し前に女子格闘技で毒舌と言えば、総合のしなしさとこ選手や渡辺久江選手でした。実際、数年前にこのふたりの対戦のときは数週間も前から雑誌やネットがふたりのやり取りをいちいち記事にして試合の前から決戦の機運は高まりました。

 でも、このときのふたりの言葉を見ると、どちらも相手のことをマジでけなしている部分はなくて、あたしが勝たないと格闘技がダメになると言っているだけなんです。しなし選手なんかは「格闘技は性格が悪いほうが勝つのでわたしが勝つ」という自虐ネタでファンを笑わせていました。こういうのがプロの仕事でしょう。

 キック系でもボクシングでも総合でも、階級によっては選手層が薄くて対戦相手が見つからない女子選手もいます。そういう人は対戦相手が見つかったら感謝こそすれ悪口なんかは言わないでしょうね。いや、悪口を言ってもいいんですが、試合終了のゴングが鳴ったら笑ってあいさつ出来るような、そんなところが落としどころだと思うんです。

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2011年02月18日

可愛い選手は会場に人を呼ぶのか?

 ネットで調べものをしていると、どきどき「女子の格闘技を人気種目にするにはどうしたらいいか」みたいな記事や意見を目にすることがあります。

 たいていの場合の結論は「可愛い選手がいれば人気が出る」とか「美人がいれば人気種目になる」とかそんな感じなんですが、どうしてそう思っちゃうのか理解出来ません。

 だって、芸能界では毎日のように可愛い子や美人がデビューしているんですよ。でも、そのほとんどが売れなくて消えて行くのです。可愛いとか美人で売れるほど世の中は甘くないみたいです。

アイドル かつてプロレスにキューティー鈴木というアイドル選手がいました。この人には本職のアイドルにも負けないくらいの絶大な人気がありました。毎日のようにテレビに出演し、一般の雑誌に記事が載り、歌手としてCDアルバムが発売され、写真集や主演ビデオが何本も発売され、ゲームの主人公にも起用されるという売れっ子ぶり。

 彼女は本当にアイドルとしての要素を持っていましたし、AKB48の売り出しでおなじみの秋元康さんがキューティーブームの仕掛人についていました。

 キューティーさんはアイドルではなくてプロレスがやりたかったのですが「きみが有名になれば団体も有名になるから」と説得されて芸能活動をがんばりました。そして日本中で彼女の名前を知らない人はいないくらいの存在になっていました。
 
 しかし、彼女の所属団体ジャパン女子プロレスが人気団体になることはなかったのです。キューティーさんの人気で少しは存続出来ましたが、結局はマイナー団体という評価のままで、経営も安定せず寂しく解散。

 アイドルとしてのキューティーさんに興味を持った人たちの多くは彼女の出るテレビを見たり、雑誌や写真集は買いましたが、プロレスのチケットまで買ったのはごく限られた人たちだったのです。

 キューティーさんが本当の意味で会場にお客を呼ぶようになったのは、彼女が次の団体JWPに所属し、芸能活動を縮小してプロレスに専念するようになってからでした。

 この例からわかるように、たとえどんなに可愛い選手がいても、売れっ子アイドルがいても、それがその種目の人気につながることはないのです。メディアで話題になっても話題と客入りは別のものなのです。

 日本の女子格闘技にも何人かアイドルっぽい人気を獲得する選手が出てきました。ブログにもコメントがたくさんついていい感じです。しかし、「応援します」と書いている人のうちで実際にチケットを買う人はとても少ないと思います。

 つまらない結論で申し訳ないけど、女子ボクシングや女子キックが人気種目になるためには「これだ!」という手段はありません。美人もアイドルも救いにはなりません。

 一番大事なのは「いい試合」をする「いい選手」です。何千円というお金をほかのことに使わないで、試合のチケットのために使ってもらうには「いい試合」を見せるしかないのです。

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2011年02月04日

「女子ボクシング」やめました

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 3月12日に開かれる女子4大タイトルマッチの告知記事はすでにアップしましたが、どうやらこの大会も日本独自とも言える「女子だけ大会」形式となるようです。

 以前から当ブログでは繰り返し言っているように、このような「女子だけ大会」には反対です(理由は今までにも女子ボクシングを成功させるなどで述べているとおりです)。「女子だけ」の格闘技大会はいままで繰り返し繰り返し開かれていますが、そのほとんどが失敗しています。

 失敗した事例に共通するのは、「女子だけ」にこだわった特殊な演出です。赤やピンクや派手なCGを使った写真中心のあまーい感じのポスター、キラキラ、ピカピカの照明、ひとりひとりの選手のために何回も何回も流される音楽、凝った開会セレモニー、選手全員をリング上に集めての記念撮影、リング上でおこなわれるインタビュー、などなど。

 業界の一部ではこういう演出をすると「女性客が増える」という期待があるようですが、それはまったくありません。

 そんなことで女性客が増えるようなら女子キックや女子総合の団体が繰り返し繰り返し潰れることもなかったでしょう。まさにそれらの団体はそういう演出をしていたのですから。

 ここでQRが言いたいのはそういう演出がいいか悪いかという趣味や嗜好の話ではありません。そういう無駄なことに大切なお金や労力を使わないでもっと必要なことに使ってほしいという切実なお願いです。

 ポスターもパンフレットも音も照明も最低限でいいです。インタビュアーのお姉さんやセレモニーもいりません。そんなことにお金を使わないで情報サイトを作ってください。いま一番欠乏しているのはそういう基本的な部分なのです。表面の飾りはいりません。いまはそんな段階ではないのです。

 ボクシングの女子選手にはどんな人たちがいるのか、そのひとたちがいつ試合をするのか、そういう無料の情報がこの国にはまったくないのです。ですから一般の人がそれらを知る機会はありません。だからファンが増えないのです。

 演出をどんなに凝ったところで、そんな大会の存在すらだれも知らないのですから「女性客が増える」わけもありません。そのことに早く気がついてください。

 ボクシング雑誌や有料サイトにいくら情報を流しても一般の人には伝わりません。ネット情報の必要性を理解しないボクシング関係者さんは非常に多く、ジムの練習生の口コミと地元に貼り出されるポスターだけで興行をおこない「不景気だから客が少ない」と思い込んでいるケースも多いと聞きます。いま、ボクシングに必要なのは情報の提供なのです。

 だからQRはタダの情報を流しています。一円の利益にもならないことに協力してくれている皆さんの力で継続しています。しかしQRには限界があります。記者クラブとは無関係なので情報はもらえません。偶然に目に入った情報や提供していただいた情報は掲載出来ますが、なんの告知もなく突然おこなわれる試合はフォロー出来ません。試合が無いときには情報も枯渇します。

 しかし、ボクシングの中の世界のひとならQRなんかとは比べものにならないくらい良いサイトが作れるでしょう。いつでも最新の正確な情報を提供可能なサイトを作れるでしょう。試合の無い時期には選手のインタビュー記事で話題を継続することも出来るでしょう。

 ポスター、パンフレット、入場ゲートの設営、音響・照明・演出のための機材、スタッフの確保、それらにかかっているお金と情熱があれば情報サイト制作は可能です。演出を廃止してサイトを作ってください。女子ボクシングの将来を考えるのなら、是非そうしてください。お願いします。

 ところで、QRはいままで記事のタイトルに「女子ボクシング」「女子キック」などの文字を入れていましたが、本日からそれをやめます。

 ご存知の通りにQRは初期の頃の記事には極力「女子ボクシング」というタイトルを入れませんでした。女子かどうかは大事なこととは考えませんでしたし、見れば女子か男子かぐらいすぐ分かるからと言う理由で。

 しかし、検索エンジン対策で「女子ボクシング」というキーワードは必要であると考え、ある時期からは全部の記事で明示してきました。

 けれどももうそのキーワードは重荷になってきました。「女子ボクシング」という言葉の色がQRの目指すものとは違っているように思えるのです。そこで今後は記事タイトルから「女子ボクシング」をはずし「ボクシング女子」といたします。記事中には「女子ボクシング」を併用致しますがタイトルには「ボクシング女子」を堅持します。

 今後ともどうぞよろしくお願いします。

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2011年01月18日

女子格闘技の勝ち

 例年ですと年末年始は(男子と違って女子は試合がありませんから)こういうブログはアクセスが減ってしまう時期なんですが今年は全然落ちませんでした。

 年末に神村エリカ選手などの試合がありましたし、今年に入ってからはRENA選手のテレビ出演が話題を呼びました。あきらかにそういうことが人々の関心を呼んでいるんだと思います。

RENA vs MIKA

 その一方では女子格闘技はくだらない、女子の試合は見る価値が無い、と熱心に語りたがる人たちもいるようで。

 くだらないものとか価値の無いものならどうして相手にするのか理解出来ないですけどね(笑)。本当にくだらないものならば、ほっとけば消えてしまうんですから。

 いや、しかし、こうして多くの人々から良くも悪くもかまってもらえるようになったのですから、女子格闘技にとっては幸せなことです。ちょっと前なんか女子ムエタイや女子シュートボクシングの話題なんかゼロでしたから。何回検索しても新規の話題なんかゼロ。それがちょっと前までの状況でしたよね。

 プロ選手は話題になってなんぼです。どんなスポーツでも。そういう意味では叩きだろうがなんだろうが話題にしてもらえば選手側の勝ち。だから選手のみなさん、わけのわからないコメントやメールが来ても笑顔でゴミ箱に入れてください。あなたの勝ちなんですから。

 人々の関心を引きつけたときに必ずある程度はそういう反響が含まれるもの。うちにも来ますよ。「女子の打撃格闘技など観てられない」とか。観てられないひとがQRに来る意味が分かんないですが、これも選手のみなさんが関心を呼び起こした戦果のひとつ、と笑顔でゴミ箱。

 今年の女子格闘技界はにぎやかな話題で幕をあけました。注目のビッグマッチも次々におこなわれます。楽しみですね。

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2010年11月03日

「女子なのにどうして?」 女子格闘技記事の不思議

 先日、東京のFMラジオ局 J-WAVEの番組にゲスト出演してボクシングの話をしていたしずちゃん(南海キャンディーズ)は「女子なのにどうしてボクサーになりたいと思ったの?」という質問に「女子なのに、というのは関係ないというか、戦いたいというあこがれがずうっと子供の頃からあったから」と答えていました。

 これって、しずちゃんだけじゃなくて大多数の女子格闘技選手が同じだと思います。性別とか関係なく、ただやりたいスポーツがそれだということなんです。

 スポーツへの興味は性別とは関係ありません。男子がみんな格闘技をやるわけではありませんし、格闘技をやる人がみんな男子であるわけでもないのです。

 「女子なのに」にいちばんこだわるのは格闘技ライターの女性たちかもしれません。まず、自分が女子であって、取材対象が女子であって、という切り口で書きますよね。選手は「格闘技選手」である以前に「女子」という感じです。

 どういう書き方も自由と言えばそうですけど、ひとつカンベンしてほしいのは、選手紹介を見た目にからめること。かわいいとか、きれいとか、キュートとか。そうじゃなければ「森の小動物のよう」とか。

 それ必要ですか?自分がライターとしての評価以前にそう言われたらどうです?

 女子ボクシングや女子格闘技には女子ならではの試合の面白さがあるんです。女子にこだわるならそこでしょう。面白いんですから。

キュートなうり坊
うり坊 by:グッ写!/GATAG

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2010年10月19日

東日本ボクシング協会さま 女子大会はやめて女子の試合の安定供給をお願いします!

 Boxing

 西日本ボクシング協会さんが15日の理事会でWBOとIBFへの加盟推進という画期的な決議をして話題になったばかりですが、今度は東日本ボクシング協会さんが18日に理事会を開き、何を決めたのかと思ったら全然画期的じゃない「Gレジェンド3」(女子だけのボクシング大会)の開催…、だそうで、きわめてガッカリしました。

 西日本さんが一歩踏み出して、東日本さんはどう出るかなというときに、それですか?

 もうちょっと前に進むこと決めましょうよ。そんなに大きくなくてもいいから煮詰まっている現状に一石を投ずることをなにか。

 例えばタトゥー禁止の解除とか。タトゥーなんかどこのリングでも普通ですよ、いまどき。それをわざわざ皮膚移植させたりファウンデーションべた塗りで隠したりとか、バカバカしいでしょ。日本のボクシングだけですよ。そりゃあ、新人も減りますよ。そんな窮屈な団体。

 女子のスポーツメイクを禁止しているのにタトゥー隠しのファンデならOKっておかしいっすよ。グローブについたファンデが目に入るから化粧禁止なんでしょ?じゃあ、男子のタトゥー隠しのファンデは?試合中にグローブにべったり付いてますよね。

 話を戻して「Gレジェンド」(女子だけのボクシング大会)。QRは何度も何度も言ってますが、現在の「選手もファンも少ない女子ボクシングの状況」では女子だけ大会は女子ボクシングの発展を阻害します。

 フュチュールさん、山木さんという女子専門のジムや、竹原&畑山さんのように看板選手が女子のジムが主催する場合は、女子中心の大会になるのもやむなしとは思いますが本来「女子だけ」と限定するのは駄目です。

 「女子だけ」と限定すると一般のファンが見ません。それではボクシングとして評価されません。それが最大の理由。

 そして、ボクシングしか見ない人は分からないでしょうが、一般にキックの後楽園大会はボクシングの時よりも客入りがよく、満員も珍しくなく、かなりの活気があります。そのキック系でさえ女子だけを後楽園ではやりません。

 成功間違い無しと言われ、実際に成功したガールズSカップも後楽園を使いませんでした。「女子だけ」大会とはそれだけ難しいのです。

 女子で盛り上がってる格闘技があるなら女子ボクシングもいけるだろ?それは無理です。シュートボクシングや女子キックはトーナメントの完全決着制。それが支持されているのであって「女子」だからうけてるんじゃありません。トーナメントの感動なんです。一年かけて出場権利を争って、最後にワンデートーナメントで決まるダイナミズムなんです。「女子だけ」以外に売りがない「Gレジェンド」とは根本的に違うのです。

 本来なら、少しずつランキングを上り詰めて、その先にある王座を目指すボクシングにも十分に盛り上がる要素があるはずなんですが、そんな見せ方してないですしね。

 それ以前に女子ボクシングには存在感がありません。

 今月と来月の後楽園ホールは女子ボクシングの試合がゼロ。ということは話題もありません。話題のない客商売は死んだも同じです。

 こういうことがないように、毎月最低でも何試合か女子マッチを組むとか、そういうことを決めてほしいのです。あるいは、大会の期間を調整して、少ない女子選手の取り合いを防止する決議とか。

 12月5日に大阪で女子だけ大会が開かれます。そして翌6日に東京で女子ダブル世界戦が開かれるというのに、「Gレジェンド3」は12月15日だそうですね。

 そんなに12月に女子の試合を集中させたら、1月と2月は試合できる女子がいなくなるじゃないですか?その間は話題がゼロです。そういうことが問題なんですよ。

 今年は女子の試合枯れの時期が何度も何度もありました。来年はちゃんと毎月見たいです。そういうところを改善してください。お願いします。

 「Gレジェンド3」に関してはどうしてもやるのなら営業妨害する気はありませんので、直前にはもう言いません。でも、女子だけというチャラチャラしたイメージや「Gレジェンド」というダサイ名前、不定期な思いつき開催、すべてがNGだと思いますよ、マジで。

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2010年10月02日

新企画『女子ボクシング プロトライアルマッチ』は消滅寸前の日本女子ボクシングを救うか?

boxing

2010年9月24日(金)後楽園ホール
To the Future 〜未来へ〜 Vol.07

黒田陽子 vs 佐藤理絵
黒田陽子(黒) vs 佐藤理絵(銀)

 9月24日のTo the Future 〜未来へ〜 Vol.07で、今までに見たことのない新企画の試合がふたつおこなわれました。

 これは、『女子ボクシング準公式戦 プロトライアルマッチ』と呼ばれるもので、JBCさんの説明によれば「女子ボクシングの競技普及と技術向上を目的とし、ヘッドギア無しの試合に抵抗のある練習生やプロのレベルに達してはいないけれどもリングに立ちたいと思う人の夢をかなえることを主眼においているもの」だそうです。

 ルールは2分3ラウンド、ヘッドギア着用、通常よりも大きなグローブ、公式審判員がジャッジし、採点基準はプロとほぼ同等ということです。

 しかし、この説明を聞いても客席では「エキシなの?マジなの?」「スパー?」「どうして片方だけプロなの?」「説明は分かるが試合か練習かわからない」という声が多数。

 正直、QRもさっぱりわかりません。

 説明のとおりだとするなら、ヘッドギアがあっても(バッティングによるカットとかは防げても)パンチのダメージは防げないので安全ではありませんし、プロに達してない人の「リングに立ちたい夢」なんてかなえてやるべきではありません。まったく納得できない話です。

 しかし、その説明は表向きの話でしかなく、この『プロトライアルマッチ』の本当の狙いは「ライセンスを持ってない人でもジムでの練習さえすればリングに上がれる道を作る」ことらしいです。

 つまり、ボクシングのライセンスを持つことの出来ないキックや総合の選手でもこのルールでボクシングのリングに取り込めるのです。

 もともと日本の女子ボクシングは、世界の国々と同じくキックボクサー、ムエタイ選手、格闘技選手などがボクサーに混じって積極的に参加して成り立っていました。

 しかし、JBCさんの体制になってから「ボクサーは他の競技とかけ持ちしてはならない」という20世紀に作られた古い規定が女子にも適用されて多くのかけ持ち選手がボクシングから排除され、深刻な選手不足におちいり試合が組めなくなってしまいました。このことが今の女子ボクシングの不人気の原因であることは明らかです。

 この問題に対処するために、今回やっとボクシング業界が動いたということは悪いことではありません。

 しかし、キックや総合の選手が、2分3ラウンドのヘッドギアマッチに出場したからといって、ファンが喜ぶとは思えません。選手だってそんな試合かスパーかわからないものに出たいと思うでしょうか?

谷美幸 vs 橋本由貴子
谷美幸(赤) vs 橋本由貴子(青)

 はっきり言って今回のふたつの「準公式戦」はさっぱり面白くありませんでした。プロの基準で裁くと言いながら「頭が低い」「頭が近い」「パンチが低い」「頭より前にグローブ構えて」と2試合とも注意の山(プロ選手でも注意を受けまくり)。時間が2分3ラウンドしかないのにレフリーがいちいち試合を止めてコレでは試合になりません。

 階級規定がなく選手の体格も合ってないし、表情も見えないし、カネを払っているお客の前に出せるものではないです。

 消えようとしている女子ボクシングに、こんな小細工をしてもなんの救いにもなりません。それよりも「ボクサーのかけ持ち禁止規定」を排除してください。

 日本だけがこだわっているこの変な規定が女子ボクシングを殺そうとしています。この規定をすぐに廃止してください。「女子ボクシングの競技普及」にはそれが一番です。


プロトライアルマッチ 準公式戦 3回戦
黒田陽子(花形)
3−0
×佐藤理絵(熊谷コサカ)

黒田陽子 vs 佐藤理絵
 黒田選手がよく動き、佐藤選手がじっくり見ているうちに終わってしまった感じ。黒田陽子選手がユナニマスデシジョンで勝利。


プロトライアルマッチ 準公式戦 3回戦
谷美幸(フュチュール )
負傷判定 2−0
×橋本由貴子(神拳阪神)

谷美幸 vs 橋本由貴子
 橋本由貴子選手が神経質すぎるレフリーに止められながらも積極的なボクシングをしていましたが、谷美幸選手のヒジの負傷により負傷判定となり、判定は谷美幸選手の勝利。

 それから、いつも思うのですが、女子のデビュー戦や2、3戦目の選手には入場曲はいらないでしょう。赤青同時に音楽無しの入場でいいと思います。新人の頃から日本のリングは女子に甘過ぎ。

 この日はメインの開始時間が予定より遅くなってしまい、途中で帰る人も多くいました。第1試合からずっとひとりひとり入場曲を流していたのではこのように時間が無くなるのも当然です。

 特に、デビューもしていないトライアルマッチにもそれぞれ入場曲があったのはやり過ぎ。

 しかも、トライアルマッチのうちのひとつは第6試合という扱い。3回戦なのに4回戦よりもあとなのです。こんな馬鹿な話はないでしょう。トライアルマッチをやるのなら公式戦開始前(開場直後)の第0試合とすべきですし、他競技ならそれが常識ですよね。

谷美幸(フュチュール )4戦2勝1敗1分
橋本由貴子(神拳阪神)デビュー前
黒田陽子(花形)3戦1勝2敗1KO
佐藤理絵(熊谷コサカ)デビュー前

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2010年08月19日

女子格闘技の魅力

 「女子は男子よりもパワー、スピード、瞬発力で劣っているので女子のスポーツは見る必要がない」なんて言う人がいます。

 もしも、スポーツが「パワー、スピード、瞬発力」で決まるのならそのとおりなのかもしれませんが、それでは「スポーツ=体力測定」になっちゃいます(笑)。

 でも、ある年代の格闘ファンにはパワーとか筋肉にこだわる人が多いようですね。「すごいパワーです!」「この筋肉すごいです!」という谷川さんの解説の影響でしょうか。テレビって怖いですね。

 もちろん、格闘技のエレメントにパワーが占める割合は非常に大きいものがあります。たとえば、女子ボクシングの4回戦を見に行って、両者の技術がイマイチだったとすると、その試合はまずKOにはなりません。正確なフォームで正確に打ち抜いたパンチでなければ、女子のパワーで相手が倒れることはないからです。

 しかし、男子の場合はレベルの低い選手どうしの試合でもKOになることは珍しくありません。適当に出したへたなパンチでも男子のパワーなら相手に効いてしまうラッキーもけっこうあるんですね。

 ラッキーの勝ち星でも勝ちは勝ちですから、いくつか重なれば上のクラスに進めちゃいます。そして、そうやってたまたま勝っちゃった彼は、たいていの場合は自分の能力を過信してそれ以上伸びない選手になります。素人目にもへたな選手が男子の6回戦などにときどき混じっているのはこのためです。

 女子の場合はそういうラッキー勝利はありませんから、へたな選手は簡単に上には行けません。必死に練習して技術を向上させるしかありません。男と違って女子は最初からケンカ自慢のひとなんかいませんから、トレーナーの言うことを真面目に聞く。だから、伸びる選手は確実に伸びます。それが女子ボクシングの4回戦や6回戦を見る楽しみです。

 いい女子ボクサーを見たいのなら、4回戦からこつこつと勝ち星を積み重ねてきた選手を選びましょう。それが間違いありません。

 また、見た目が可愛いとかチャーミングとか美人とかじゃなくて、フォームのきれいな選手を選びましょう。フォームの美しさは正しい基礎練習を積み上げてきた証拠。そういう選手の試合なら軽量級でもダウンやKOが期待出来ます。

 ボクシングのフォームは最低限の力で最大限の効果が出るように作られているものなので、男子ほどのパワーがない女子でも、正しいフォームで正しいタイミングに打てば相手を倒すことが出来るのです。


スージー・ケンティキアン vs シェイニー・マーティン 2007年

 動画は最近は日本の記事にも名前が載るようになったスージー・ケンティキアン選手(ドイツ・28戦無敗)。ケンティキアン選手の体重はわずか50キロ。それでもこの破壊力です。

 軽量級のKOは、フォーム、タイミング、そして強い意志が生み出す名人芸みたいなもの。大げさに言えば奇跡の一種かもしれません。

 そんな奇跡を何度も成し遂げた『キラー・クイーン』ケンティキアン選手ですが、最近はどうも試合に精彩がありません。どこか微妙にチューニングがズレているんでしょうけれど、パワーや体格に頼らずに、強い意志で極度の集中を持続し、勝ち続けているケンティキアン選手にとっては、その微妙なズレでも命取りになるかもしれません。女子のトップボクサーであり続けることの困難さが伝わってくる気がします。

 先月は26戦全勝をマークしていた世界王者イナ・メンツァー選手(ドイツ)が意外にも判定で陥落してファンを驚かせました。スロースターターのメンツァー選手はいままでも前半にリードされる危ない試合がありましたが、そんなときは勢いにのって攻めて来る相手に冷静なカウンターを打ち込んで逆転勝ちし、鋼鉄のような意志の強さを見せてきました。そんな彼女が、7月の試合では最後まで「怖い」と思わせるショットを一発も放てないままに敗戦。彼女もまたスタイリッシュなボクシングを身上としてきた選手だけに、ちょっとした何かのズレが王座陥落という大きな結果を招いてしまったのかもしれません。

 女子の格闘技はボクシングに限らず、どんなものでもパワーに頼れないぶん基本技術の正確さや集中力や戦略の力を要求されるスポーツです。それが面白いと思うか、パワーがなくてつまらないと思うかは、見る人と伝える人のセンスの問題。

 本当はトップクラスの男子もパワーを超えたところで戦っているんで本質は同じなんですけどね。

関連記事 注目のビッグマッチ スージー・ケンティキアン vs ナディア・ラオウイ 結果

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2010年06月27日

日本の女子キックと世界標準のギャップを埋める

 ShootBoxing  KickBoxing

 90年代の中期にシュートボクシングの藤山照美(ふじやまてるみ)選手、キックボクシングの熊谷直子(くまがいなおこ)選手を中心に燃え上がった打撃系女子格闘技の炎は、その後、一時の勢いを失い、新しい人材を総合格闘技のほうに持っていかれるなどして興行的には冬の時代を迎えました。

 そうした時代のトップファイターである早千予(さちよ)選手、彩丘亜沙子(さいおかあさこ)選手、NORIKO・T選手などの実力者は国内にレベルの合う相手が見当たらず海外のリングや総合格闘技などに活動の場を移しました。

 現在、日本でおこなわれている女子打撃系の興行の多くは、こうした人材の薄い時代に始まっているため、いずれも本来の女子ルールから一段低いノービス(初心者)ルールにレベルを落とすことによって参加者を増やして成り立ってきました。そしてそのルールが現在も主流としておこなわれています。



 具体的に言えば、熊谷直子選手から早千予選手のころまでの女子キックは3分5ラウンドが当たり前で、デビュー戦レベルでも3分3ラウンドでした。

 藤山照美選手のころのシュートボクシングは第1ラウンドが5分、第2ラウンドが4分、延長ラウンドが3分でおこなわれていました。

 現在はキックもシュートボクシングも女子は2分3ラウンドが普通のようになっていますが、これはノービスルールがそのまま定着したもので本来の姿ではありません。

 海外ではメインイベントクラスの選手は2分5ラウンド、3分3ラウンド、3分5ラウンドの試合をこなしています。

 日本ではJガールズさんのタイトルマッチが2分5ラウンド、ニュージャパンキックさんのタイトルマッチが3分3ラウンドになっているのが最長で、あとはほとんどが2分3ラウンドになっているようですね。

 ラウンドの回数が増えたり、時間が延びたりすることは、単に体力だけではなく試合運びの技術も問われることになります。

 日本のキック系女子格闘技がいまよりさらに高みに登るには、このへんの見直しがそろそろ必要かなあと思われます。

 今回ご紹介した動画は熊谷直子選手の好敵手キム・メッサー選手がイヴォンヌ・トレビーノ選手を迎え撃った1995年ISKAライト・アトム級タイトル戦、2分10ラウンドのもようです。

関連記事 女子シュートボクシングの歴史

関連記事 韓国女子ボクシングとキム・メッサー その1

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