リングの基礎知識

2015年08月31日

今月、ムエタイを150戦見てわかったこと ムエタイは打撃系ではなく、組み打ち系格闘技

 Muay Thai

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 毎年、8月はタイ王妃さまの生誕祝賀の試合がたくさん組まれるため、かなりの試合数を見ることになるのですが、今年はそれに加えてIFMAのムエタイ・ロイヤル・ワールド・カップがあったので、たいへんな量の試合を見てしまいました。

 女子だけで120試合、男子も加えると150試合以上は見たでしょうか。

 その女子の試合に関してはまだ少ししかお伝えしていませんので、9月になってしまいますが、ちょっとずつでも書いていこうと思います。

 それで、全体的な感想を言うと、世界の選手のレベルが本当に上がってきているということです。その結果、リトルタイガー選手、チョンマニー選手といったトップ中のトップの選手が、まさかというところで黒星を喫したり、ノーマークの選手が大活躍したりということが起きています。

 また、かつては打倒タイというと、タイ選手とは違うスタイルで勝負を挑む外国人選手が多かったのですが、現在はどこの国の選手でもタイスタイルを深く研究し、ちゃんとムエタイの技を使えることが当たり前になっています。

 それが端的にあらわれているのが首相撲です。ハッキリ言ってちょっとでも組み技で遅れを取ると、もうムエタイでは勝てません。タイ人だけではなく、世界中のトップクラスがみんな組み技が出来るのですから。

 日本のムエタイイベントに行くと、全然組まずに延々打ち合う試合が多いのですが、なぜそうなるかと言うと、打って来る相手に打ち返すのが日本の選手の特性だからです。

 しかし、タイスタイルの攻防では打って来たパンチをよけながら組み付くことが基本。だから、試合時間の半分は組み技です。

 組んでヒザの連打とかの決定的なカタチに持って行くことが出来なくても、多少でも相手をコントロールしたり、相手を死に体にすることが出来れば優劣が付きますから、ここが勝負どころになってきます。

 要するに、ムエタイとは組み半分、打ち半分の組み打ち系格闘技なのです。それはキックボクシングよりも、シュートボクシングさんの言う『立ち技総合格闘技』の感覚に近いかもしれません(SBの投げや関節はムエタイでは反則ですが、組み負けしてはいけないという意味で近いと思います)。

 しあわせなことに日本にはタイからたくさんの本格的な指導者の方が来てくれているので、日本選手ももっともっと組み技を強化して、世界標準を突破してもらいたいと思います。

 タイ人はパンチに弱いから、みたいな古い発想を抜け出さないと、パンチに慣れている相手、パンチが強い相手には太刀打ち出来ません。

 タイスタイルをマスターしたロシア人やオーストラリア人は、パンチも組み技も、なんだって出来るんですから。

 日本人も一歩もゆずらず、タイ式を極めましょう。

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2013年01月01日

ボクシング女子の階級表

・JBC(日本ボクシングコミッション)の規定に基づいた女子の階級表です。
・この階級分けは世界的に共通するものですが、階級名は団体により微妙に違うのでご注意ください。
 (これはプロボクシングの階級表であってアマチュアの階級表ではありません。)
ボクシング女子の階級表
WBCミニマム級はかつてはストロー級と呼ばれていましたが、現在はWBAと同じくミニマム級と呼称されています。

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2012年08月17日

ラウンド制/ポイント制であることを無視したイメージ論 天海ツナミ vs 山口直子の解説で混乱する表現を考える その3 ボクシングマガジン藤村幸代記者編

 Boxing

 藤村幸代記者のボクシングマガジンの記事は、ツナミvs山口戦のちゃんと押さえるところは押さえていてその部分は良心的ではあります。

 両選手のことをよく知らない人は、ディフェンスのツナミ、強打の山口、みたいに言い切りますが、両選手とも一戦ごとに試合スタイルに変化があるうえ、トップ選手にふさわしい対応力を備えていて、先入観で割り切れるような単純なファイトはしません。そのことを藤村幸代さんはわかっています。

 山口選手は豪打のパンチャーではあっても大振りのファイターではありませんし、ツナミ選手のパンチ力もなかなかで、技術偏重のボクサーではありません。初防衛時のイギリスから来た挑戦者は目をゴルフボール大に腫らして帰りましたし、藤本りえ選手、ペッチサイルーン選手はTKO、今回の山口選手も序盤から顔を腫らしました。

天海ツナミ vs 山口直子

 今回は、ツナミ選手はいつも以上にパンチを避ける技術、かわす場面を見せていたと思います。しかし、ディフェンスはポイントにはなりません。もちろんそのことはボクシングの大前提ですから、ツナミ選手はたくさんのパンチを当てました。藤村さんの書いているとおり「試合を通じて有効打の数では明らかに天海が上回っていた」のです。

 ここまではわたしたちQRと藤村さんの見方は何一つ変わりません。ところがこの先です。「ジャッジはフットワークの最中に放つ天海の小気味いいクリーンヒットより、山口のパワーヒットのインパクト、そして前へ出続ける姿勢を評価したのだろう」「(山口選手の)100%のパンチが120%の威力として印象付けられた」と藤村さんは結論付けます。

 たぶん「前へ出続ける姿勢」というのは前進しながら打ち続けたことを言っているのでしょう。それで攻勢点(手数への評価)があったのだろうと。しかし、以前の記事と重複になっちゃいますが、攻勢点というのは有効打の無い凡戦の時には判定の材料にはなりますが、きちんと有効打のある今回のような試合の時には大きな要素にはなりません。

 「試合を通じて有効打の数では明らかに天海が上回っていた」という内容の試合であるなら「出続ける姿勢」は試合を左右しません。ボクシングの判定では有効打よりも上に来るものはないからです。

天海ツナミ vs 山口直子

 さて、「天海の小気味いいクリーンヒットより、山口のパワーヒットのインパクト」を評価したのだろうという説明は、藤村さんに限らず、今回の判定を擁護する人がよく口にすることですが、それにはひとつの大きなゴマカシがあります。

 原則論として、多数の軽いパンチよりも1発の重いパンチのほうが「有効」であると判断されることはあると思います。相手により多くのダメージを与えるのが格闘技としてのボクシングの目指すものですからそれは当然のことです。

 しかし、1発の重いパンチが評価されるのは、その1ラウンドの中だけのことです。次のラウンドが始まればまたゼロからパンチを積み上げる競争の繰り返しです。

 10回戦はそのゼロからのヨーイドンを10回繰り返すものです。そして、どちらが多くのラウンドで優勢だったかで試合は決まります。後半にいくら怒濤のラッシュをかけても、前半のラウンドを落としていれば試合には勝てません。

 ボクシングはラウンド制のスポーツなのです。判定はラウンドごとにおこなわれます。ですから、ライターの人の文章にもラウンド制の概念がなくてはいけません。

 ところが「天海の小気味いいクリーンヒットより、山口のパワーヒットのインパクト」を評価した説のひとたちでラウンドごとのポイントをきちんと説明する人はひとりもいません。これが大きなゴマカシです。

TSUNAMI vs YAMAGUCHI

 この図を見てください。小さな印がジャブなどの軽打、大きな印がある程度インパクトを持ったパンチです。赤がツナミ選手、青が山口選手。空振り、ガードを叩いたもの、パリーで払い落とされたものは含みません。つまり、これが有効打の数です

 テレビの録画をカウントしたものですので正確性には限界がありますが、だいたいの試合の流れはおわかりいただけると思います。

 この図に表れた有効打だけを見るなら、1〜7まではすべてツナミ選手の優勢、8と9が山口選手が優勢。10はツナミ選手ですが山口選手にカウントする人もいるかもしれません。そう見てもこの図では97−93で天海ツナミ選手の勝ちです。

 実際のジャッジの採点は2ラウンドまでが全員ツナミ選手、3と4が割れますが、5ラウンド以降は全員がほとんどすべてを山口選手につけています。

 しかし、5〜7の三つのラウンドは有効打の総数で完全にツナミ選手が上回っています。パワーヒットと藤村さんが呼ぶパンチもツナミ選手のほうが上回っていて試合中盤で山口選手のほうにポイントが入る要素はありません

天海ツナミ vs 山口直子

 ここにあげた図を信じられない人は実況の音を消して試合をもう一度見直してみてください。山口選手は初回から最終回までガンガン手数を出していますが、そのほとんどが空を切って相手にヒットしていません。ギリのところでツナミ選手がかわしているパンチも無数にあります。

 このツナミ選手のディフェンスはポイントになりませんが、同じように山口選手の当たらなかったパンチもポイントにはならないのです。

 ここを故意なのかヒットしているとの見間違いなのか、当たらなくても手を出してればポイントになるとの思い込みなのか、判定擁護派の人たちは事実を見ていません。山口選手はこの試合を通して命中率が非常に低く、普通に採点するならジャッジ全員が97ポイントになるような有効打はないのです

 どんなに山口選手寄りに採点してもドローも厳しいかというのが実際の試合内容だったと思います。たいへんいい試合ではありましたが、勝者は厳然としてツナミ選手だと思います。

 試合全体を通してなんとなく印象で語るのではなく、1ラウンドずつ別々にキチンと評価しなくてはボクシングライターとしては問題があるでしょう。いちいち全ラウンドを語れとは言いませんが、ラウンドの概念を吹っ飛ばして全体の印象論で勝敗を決めつけるのは正当な見方ではありません。

 有効打の数でラウンドの優勢を判断し、優勢ラウンドの数で全体の勝敗を決するのがボクシングですが、そういう面をまったく無視した記事がボクシング界にあふれている現状は悲劇的な光景に思えます。現実の話を抜きにしたイメージ論はもうたくさんです。

 この試合の模様はスカイAさんにて再放送の予定です。
8月29日(水)15:00〜17:00

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2012年08月14日

ボクシングの判定基準は『有効打』 その上に来るものは無い 天海ツナミ vs 山口直子の解説で混乱する表現を考える その1 ボクシングビート編

 Boxing

 本屋さんにはボクシング雑誌の9月号が並んでいます。

 判定内容が議論を呼んだWBA世界タイトルマッチ天海ツナミ vs 山口直子戦がどのように書かれているのかチェックしてみました。

天海ツナミ vs 山口直子

 この試合は現場で目で見て、さらにテレビ放映でも確認しましたが、10ラウンドのうちの過半数のラウンドで天海ツナミ選手が有効打で上回り、普通なら王者のツナミ選手が勝ちになる試合でした。

 しかし、判定はジャッジ全員が挑戦者の山口選手に97をつける大差で、新王者の誕生。

 この判定について、試合直後からいろいろな言い方でジャッジを擁護する人たちがいますが、専門誌はどう書いたのでしょうか。

 判定のむずかしい接戦というのはたしかにあります。僅差の判定というやつですね。しかし、今回は大差の判定です。

 普通は、大差の試合は誰の目にもハッキリと勝ち負けのわかるもの。もしも、その試合が判定どおりの内容だったなら、ボクシングの専門誌が特にジャッジについての説明をする必要はないはず。

 ところが、今回はどの雑誌も実にくどくどとした説明に誌面を費やしています。

 まず、「天海が自分の意思で動いていたのか、山口のプレスで動かされていたのか、そこをどう見るかで優位に立つ者が変わってくる」と判定を解説しているのがボクシングビートさん。

 が、ボクシングファンならご存知のとおり、そんなことでは試合の優位は変わりません。採点基準はあくまで有効打であり、相手を動かす動かさないは判定要素の下位。

 ボクシングは相手を動かすゲームではなくて、相手にパンチを打ち込む格闘技なのです。

判定基準 どちらの選手が有効打で上回ったかということが第一。どちらも有効打がなかった場合はどちらがより攻撃的だったか(いわゆる手数)で勝敗を決めるのがボクシング。たいていはこのふたつで白黒がつきます。

 けれども、両者とも見合ってばかりで有効打がなく、手数も少ないというつまらない試合もときにはありますから、そんなときは、どちらがゲームを支配していたかとか、防御がうまいのはどちらかということで勝敗を決めるということになります。

 逆に言えば、有効打があったり、双方が手数を出しているようなまともな試合のときは、試合運びがどうとかは判定にはほとんど関係ないのです

 有効打のある試合では有効打が最大のポイント。それ以上に評価されるものはありません。

 プロボクシングではどんな試合をしようとも、打ったほうが勝ちなのです。

 もちろん、そんなことはボクシング専門誌の人なら言われなくても充分に分っています。それでもそんな解説をしてしまうのは、この試合の判定が普通の方法では説明出来ないものだからでしょう。

天海ツナミ vs 山口直子

 説明しにくい判定が出た時にメディアが解説に使うのは「こんな見かたもある」「もしかしたらジャッジはこう見たのかもしれない」という見かた論です。

 けれども、本来、ボクシングの判定はそんな個人の価値観とか主観とか印象に左右されるあやふやなものではなく、有効打、または手数で、何ラウンド取ったのかという数字が決定要素。見かたは最初から決まっているのです。

 「こう見えたかも」というあいまいなものではなく、有効打や手数などの事実で決まるシンプルな世界が本来のボクシング。

 ボクシング業界の解説者や記者の人たちは、そのへんを故意にゴチャゴチャにしています。

 ボクシングのためにいいことだと思っているのかどうかわかりませんが、ひとは意味不明のものは好みません。スッキリしないスポーツに魅力はありません。

 政治家トークみたいなワケの分からない文章でボクシングを書いているみなさん、それは誰のためのものですか? ファンを増やしますか? 減らしますか? ボクシングのためになるんですか?


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2012年07月29日

殴り合いではないボクシング

 Boxing

 1974年、モハメド・アリ選手は世界最強の呼び声も高いジョージ・フォアマン選手と戦いました。試合前に「アリは負ける」「アリは殺される」と人々は言いましたが、ロープで身を支えて体力を温存する『ロープ・ア・ドープ』という奇策でKO勝利を手にしたのはモハメド・アリ選手でした。


 敗因を聞かれたフォアマン選手は「負けたのはロープがゆるかったからだ」と答えました。

 数年後、この発言についてフォアマン選手は語りました。「自分のプライドを支えるためにはああでも言うしかなかった。自分を支えるためにはなんのせいにだってしたさ。」

 発言の裏にあるものを結局は白状しちゃうあたりが、フォアマン選手の人間味でしょうね。

 どんな競技スポーツでも、選手の内面には想像を絶するプレッシャーがかかっているのですから、負けた場合には(ときには勝ったときでさえ)精神面にはとにかくケアが必要で、そのためにはいろんな言葉が生まれます。

レイラ・マッカーター選手 2010年、風神ライカ選手はアメリカきっての技巧派レイラ・マッカーター選手(左写真)のタイトルに挑戦しましたが、足を使って動きまくるチャンピオンについて行けず、結果は大差判定負けでした。

 試合後、ライカ選手は「(マッカーター選手は)前に対戦した時よりセコいボクシングになっていた」と言い、コーチの畑山隆則さんは「アメリカのボクシングは地に堕ちた」と言いました。そしてメディアはその言葉を伝えました。

 フォアマン選手と同じです。負けた人が自分を支えるためにはそうでも言うしかないんです。そういう発言は必要なのです。選手が選手であるために。

 これは、善悪ではありません。試練に出会った人ならばわかるはずです。

 でも、メディアがそれをそのまま伝えてしまっては、事実と違う話になってしまいます。負けは負け、勝ちは勝ち、正当なボクシングは正当なボクシングです。マッカーター選手のヒット&アウェイは正当なボクシングです。なんの問題もありません。しかし、メディアはそう伝えませんでした。

 事実と違う報道が積み重なると、人々は間違ったとらえ方をします。「足を使うボクシングは卑怯なんだ」「打ち合うのが本来のボクシングなんだ」というふうに。

 一部には頑強に天海ツナミ選手や宮尾綾香選手のボクシングを否定する人がいるようです。好き嫌いは個人の自由ですが、相手の攻撃をかわして打つボクシングを否定するのは客観的には間違いです。

 「打ち合うのがボクシング」というのは日本や韓国の一部メディアの洗脳であって、ボクシングは打ち合いを前提にした競技ではありません。このことに気が付かないと、世界レベルでおこなわれている試合をちゃんと理解出来ません。

早千予選手 日本のキックボクシング史上パウンドフォーパウンド女子最強の早千予(さちよ/右写真)選手は、あらゆる蹴り技を完璧にこなせるパーフェクトなキッカーでしたが、蹴りに比べてパンチには弱点があると考え、修行のつもりでボクシングに参戦しました。

 本人はボコボコにやられる覚悟だったようですが、彼女の強烈なプレッシャーと、高速でラッシュしながら至近距離で変化するポジションワークに、対応出来る女子ボクサーは日本にはいませんでした。

 ミサコ山崎選手、山口直子選手がノックアウトで敗れ、日本チャンピオンの八島有美選手も一方的に打ち崩されて成す術なく沈みました。

 翌年、早千予選手はアメリカでボクシングの世界タイトル戦に出場。日本のファンは彼女がアメリカでも圧勝することを信じていました。しかし、結果はアメリカのマリベル・ズリタ選手に大差の判定負け。

 地元判定とかそういうことではありません。早千予選手はズリタ選手の徹底的に逃げる作戦にやられたのです。

 ズリタ選手は一発打つと背中を向けるようにしてサッと離れる極端なアウトボクシング。リングの端まで追いつめても、ロープに体を預けて打撃を避けるロープ・ア・ドープ、そしてクリンチ。そんなラウンドの繰り返しで早千予選手は敗れました。2005年のことでした。

 あれから7年。いまでもまだ「足で逃げるボクシングはダメだ」と言う人がいるのは不思議です。

 早千予選手は本来はキックボクサーですから、ボクシングのようなフットワークは使いません。そういう技術が必要でもありません。ですから彼女はその試合を最後にボクシングをやめました。

 しかし、ボクシングが専門の人はフットワークを研究しなければなりません。自分自身も足を使えたほうがいいし、ヒット&アウェイに対する攻略法も身につけなくてはいけません。

 「逃げるボクシングは邪道だ」などと100万回言ってみても勝てるわけではありません。

 ボクシングはロープに寄りかかっても、足で逃げても全然OKな競技です。いろんな戦略や技術を尽くして争う競技です。ずっと昔からそうなのです。「正々堂々と打ち合うのが一番」などという価値観は一般層の興味を引くためにマスコミが作った幻想です。

 K1のヘビー級みたいな足を止めてのボコボコ合戦が好きな人もいるでしょう。それはそれでいいんですが、ボクシングはそれとは違う世界なのです。

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2012年07月14日

ボクシングの判定について その2 ジャッジにはいろんな見え方はあっても、いろんな見方はない

boxing


 ボクシングの判定が「おかしい」と議論になった場合に、「まあ、ボクシングはいろんな見方があるから」という声を聞くことがあります。

 「見方」というのが「価値観」という意味なら、それはたしかにそうです。強打者が好きな人、テクニシャンが好きな人、ボクシングの好みは人それぞれですから。井岡選手と八重樫選手でどちらが好きかというのは意見が分かれますよね?そういう意味ではボクシングの価値観はいろいろあってあたりまえです。

 しかし、それはファンレベルの話であって、判定を任されている人(ジャッジ)にはいろんな見方は許されてはいません。ジャッジにはハッキリとした価値基準が示されていて、その方向で試合を判断します。

後楽園ホール

 よく誤解されていることですが、ジャッジが3人いるのは「いろんな見方を公平に取り入れるため」ではありません。ひとりやふたりでは見落としてしまうかもしれない部分を3人の目で見てカバーしましょうということなのです。

 そうは言っても、ジャッジも人間ですから、国際戦の場合はひとつの国に偏らないように、ジャッジの人選には配慮がされます。でも、その場合でももとになる価値観は本当は同じのハズです。

 ボクシングは、有効打、攻勢、主導権、防御の4つの要素でまさっているほうが勝者となる競技であり、それ以外の要素はありません。

 なかでも一番大事なのは「ラウンドごとの有効打」であり、その差の無かった平凡なラウンドを「どちらがより攻勢だったか」「どちらが主導権を握っていたか」「防御が優れていたのはどちらか」などで判断します。

 繰り返しますが、一番大事なのは「ラウンドごとの有効打」。それ以外の要素はサブ的なものであり、中心要素ではありません。

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 しかし、新聞や雑誌の記事、テレビの中継などで、そのあたりが故意なのか無意識なのか、かなりゴチャゴチャに扱われています。
「この試合では打たれながらも前へ前へという姿勢がポイントになりましたね」
「今回はパンチはともかく主導権(リングゼネラルシップ)の評価が大きかったですね」
という具合です。だけどこれはおかしなことです。一番大切なのは有効打だと決められているのですから。

 もちろん関係者ならジャッジの基準ぐらい心得ています。こういう言葉は、コメントしにくいときのゴマカシと言うか、逃げの表現なのでしょう。続きを読む

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2012年07月12日

ボクシングの判定について その1 いまさら聞けない基本的なこと 見る人の勘違い

boxing


 ボクシングは倒すか倒されるかのシンプルなスポーツである一方で、判定になると観戦者にはわかりにくいとも言われます。

 有効打の多いほうにポイントをつけるのがジャッジの基本なので、冷静に見ればよほどの接戦でないかぎりは判定もそんなにむずかしくはありませんが… 、その「冷静に」ということが案外大変だったりします。

 なにしろボクシングは殴り合い。戦っている選手のファンや身内の人なら冷静に試合を見ろというほうが無理でしょう。そして、いい内容であればあるほど見る人の心を揺さぶるので、ますます冷静には見れません。

 自分の応援する選手の攻撃がビシッと決まると「やった!」と思いますし、逆に打たれる場面では「いや、大したことない」と考えます。その結果、どうしても応援する選手のほうがリードしているように見えてきます

 こんなブログをやっているわたしたちだってそうです。日本人選手が外国人と対戦するときは日本人選手側に立って見てしまい、ギリギリの試合でも「勝った」と思います。そして判定を見て驚くことも。

 そんなときは冷たいものでも飲んでから録画を見直すと、判定に納得出来たりします。当たり前のことですが、判定結果の多くはやっぱり正しいのです。

korakuen

 しかし、時には納得出来ない判定もあります。日本で記者をやっている人の多くは、そのような場合でもあまり波風を立てないような方向に記事を持って行くようですが、職業じゃなくて単なるファンとして試合を見ているわたしたちはおかしな判定は必ずそのように書きます(このブログはひとりで書かかず、複数の意見で書いています)。おかしな判定はおかしいと言わなければ、戦っている選手の人たちが気の毒ですし、応援しているファンにも救いがありません。

 それから、冷静かどうかの感情以前に、ファンの人たちが判定方法を誤解していることもあります。続きを読む

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2012年06月20日

減量と計量についての気になる話 最近目につく棄権試合をどう考えるべきか?

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 ボクシングやキックなどの体重制格闘技では計量というものがあります。規定の体重に違反していないかどうか試合前に体重をチェックすることですね。

 この計量自体が話題になることは日本ではほとんどありませんが、海外では計量会場にたくさんの人を入れて計量そのものをイベントのようにして見せてしまいます。そうやって試合直前の話題を煽るんですね。


 この動画は去年おこなわれたWBCフライ級タイトルマッチの計量風景。まず、チャンピオンのシモーナ・ガラッシ選手(イタリア)が体重計に乗って計量クリア。ガッツポーズで写真撮影に応じます。つぎに挑戦者のマリアナ・フアレス選手(メキシコ)が乗りますが... 何回測っても体重計が規定体重を指してくれません。笑顔でポーズを取っていたフアレス選手の表情が見る見る曇ります。体重オーバーです。

 ここで何やら両者が話し合い、やっと笑顔で記念撮影。一般にはあまり知られていないことですが(わたしたちももちろん知りませんでしたが)、実はWBCさんには「女子はホルモン周期の影響で減量がうまく行かない場合を考慮して1ポンド(454グラム)以内の超過なら相手の了承のある場合は計量合格とする」という規定があるそうなのです。この時、フアレス選手の計量オーバーをガラッシ選手が了承したので両者とも笑顔で記念撮影が出来たのでした。

 この試合ではガラッシ選手が判定負けで王座を陥落、フアレス選手が新王者になって現在に至っていますが、もしもガラッシ選手が了承しなければタイトル戦はおこなわれず、新王者は誕生していないわけです。

 たった数百グラムの体重オーバーで人生が変わっていたかもしれないフアレス選手... 。しかし、髪の毛にあんなにエクステを付けていなければ、すんなりと計量合格していたような気もしますが(笑)。

 ボクサーというと「あまり食べない」「あまり飲まない」というイメージがありますが、計量をうまくパスする選手には、食事はきちんと摂り、水分もちゃんと取り入れながら、ふだんから運動量を多くして新陳代謝の盛んな体を作っている選手も多いようです。

 そういう選手が計量数日前から突然食べるのを減らすと、直後にガクンと体重が落ちるので、計量は無事に通過。そのあとは体に負担にならないものを食べると試合までに体重も体調も回復する、と言われています(あくまで無理のない体重設定での話です。階級を下げすぎると減量がうまく行かないのは当然です)。

 逆に、体重を心配し過ぎてふだんからあまり食べない人は、体が少しの食事で体重を維持するようにチューニングされてしまって基礎代謝が低くなるため、計量日まえに食べるのを減らしても体重はそれほど減らず、結局は水分をカットし過ぎて脱水症状という悲惨なことになるようです。

 さて、このところ、未奈選手、天空ツバサ選手、吉田実代選手という意外な人たちが次々に計量に失敗する事件が続き、ちょっと、どう理解していいのかとまどっていたのですが、吉田選手がブログで気になることを書いていました。実は少し前から体調が悪く、特に腎臓の機能が低下していたそうなのです。

 これは推測ですが、腎臓の機能低下は放射能/放射性物質の影響かもしれません。

 一般に、放射能というと数十年後のガンを思い浮かべる人が多いようですが、本当は数ヶ月後ぐらいから体全体が疲れたり、免疫が低下するということが代表的な症状だといいます。内臓の各器官が炎症を起こしたり働きが落ちたりということは原発事故のあとに広く見られる現象らしいのです。

 腎臓の機能が落ちると新陳代謝も停滞しますから減量は無理です。体調も悪くなります。

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 上の日付は日本国内で4月以降におこなわれたボクシングの大会です。黄色になっているのは選手が棄権した試合がひとつあった日。ピンクになっているのは棄権試合がふたつ以上あった日です(棄権の詳細は分かりません。ケガもあれば体調不良もあるでしょう)(6月19日以降は6月30日に追記)。

 ボクシングの棄権は以前からありました。でも、こうやって見ると最近はかなり多いと言わざるをえません。6月18日は東日本新人王予選という大事な大会なのに3試合も棄権がありました。

 考え過ぎならそれで良いのです。最近ボクシングの棄権が多いのは偶然かも知れません。しかし、この頃どうも体調が悪い、減量がうまく行かないという選手は一度血液検査をしてみるべきかもしれません。検査すれば腎臓の機能が正常かどうかハッキリします。

 外食やお弁当などの素材の出所のわからない食べ物に気をつけて、健康で元気に生きていきましょう。自分の体は自分で守るしかないのです。

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2011年01月25日

ヒジ打ちありを考える 女子ムエタイ

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 ムエタイの必殺技ヒジ打ち。ヒジの先端部を顔面に打ち込む技。

 体幹からのパワーをムダ無く伝えるシンプルなムーブで一発KOが可能。倒すまで行かなくても骨と骨がぶつかりあう痛みは強烈。さらにこの技ならではの特徴は、相手の顔面を切れること。

 ボクシングや総合などのパンチでもカットはありますが、この場合は裂けたような傷口であるのに対し、ヒジでの傷は刃物でスパッと切られたようになる場合が多く、お医者さんが見てもナイフ傷と区別がつかないこともあるそうです。

 顔面をカットされると多くの場合そのままTKOにつながりますし、いったん傷が閉じても後日の試合で再びその付近が切れる可能性も高く、選手にとっては避けたいところ。

 日本では多くの格闘技で女子に限らずヒジ打ち禁止になっているのは、そうした理由からでしょう。しかし、一歩海外に出て、ムエタイと戦う場合はそんなことも言っていられません。

 超人的な戦闘力でキックの鬼姫と恐れられた早千予(さちよ)選手は、「ヒジは痛いから嫌い」と言いながらも海外のヒジありフル・ルールで圧倒的な勝ち星をあげて日本女子キックの地位を高めた選手です。
早千予 vs イロンカ・エルモント 3〜5ラウンド

 早千予選手がオランダムエタイ軽量級の絶対王者イロンカ・エルモント選手と激突した試合では、キック、ヒザ、パンチで優位に戦う早千予選手に対し、意地でも負けられないエルモント選手は最終ラウンドはひたすらヒジ乱打での逆転KO狙い。しかし、早千予選手はこの攻撃に少しもひるまずに徹底的に前進してタイトル戦勝利。2005年のことでした。

 かつてのタイの伝統的な価値観では序盤から中盤にかけてキック、ヒザ、パンチで劣勢となった選手が、一発逆転の希望をかけて第4ラウンド、第5ラウンドで繰り出すのがヒジ打ちとされていて、最初からヒジ打ちばかりを狙うことはありませんでした。あくまでもキックと首相撲で見せ場を作るのが正統的なムエタイなんですね。

 しかし、ムエタイが世界に広がるにつれてキックよりもパンチを主体としたり、最初からヒジを狙う外国人選手も多くなり、いまはいろんなスタイルの選手がいます。

 ヒジありの試合の方がヒジ無しの試合よりも価値が上だとは思いません。しかし、ムエタイと戦う場合は、ヒジへの対応は避けては通れない道。それは確かな現実です。

 QRとしては、日本人同士がつねにヒジで切り合って負傷者が絶えないような状態は望みません。しかし相手が切りにきたら切り返す、いつでも切ろうと思えば切れるんだよという凄み、それらはトッププロの要件だと思うのです。

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2010年04月10日

バンデージ バンデージチェックとは?

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バンデージ
 試合や練習の時に拳に巻いて保護する包帯のようなものです。ナックルから手首にかけてぐるぐるに巻いて拳を正しいかたちに固定し、その上にグローブをつけます。

 バンデージはパンチの際に自分の手に伝わる衝撃をやわらげ、手指の骨折や手首のねんざなどを防ぐものですが、拳を補強することは、攻撃力を強めることにもなります。

 バンデージの巻き方などで有利不利が出来ないように、バンデージの長さや巻き方、材質などは細かく決められています。

バンデージチェック
 バンデージは本来は拳を保護するためのものですが、巻き方によっては攻撃力を異常に高めることも出来ます。

 そのため、巻き方のルールや素材や長さなど決められています。試合の前にはその規定のとおりにちゃんと巻けているかなどを必ず調べます。これがバンデージチェックです。

 異常がなければチェックした役員がバンデージにマジックペンなどで大きく確認サインを書きます。

ナックル(ナックルパート)
 拳を握ったときの親指を除く4本の指の根元周辺のこと。ボクシングで使うのはこの部分です。この部分以外で相手を打つと反則になります。

 ルール全般はこちらをごらんください。

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女子ボクシングのルールや階級について

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 女子ボクシングのルールは基本的に男子と同じですが、一般に男子に比べて試合時間が短く定められていることが多いです。

 男子の場合は1ラウンドが3分ですが、女子は多くの場合2分で、ラウンドの回数も男子の世界タイトルマッチが12ラウンドなのに対して、女子は10ラウンドでおこなわれることが多いです。さらに詳しくは女子ボクシングのルールを参照してください。

 女子ボクシングの階級に関しては女子ボクシングの階級表をごらんください。

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2009年06月17日

女子ボクシングの世界タイトルマッチは何ラウンド?

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 7月3日にラスベガスでおこなわれるレイラ・マッカーター選手と風神ライカ選手の世界タイトルマッチが、男子と同じ3分12ラウンド制であることがスポーツ紙で伝えられて、話題になっているようです。

 現在、多くの団体で女子ボクシングは1ラウンドが2分となっていますが、全部がそうというわけではありません。むかしから(数は少ないですが)女子でも1ラウンドが3分の試合はおこなわれていて、ブリジット・ライリーさんなども3分制の経験があるようです。

 2分よりも3分のほうがいいという考えをはっきり表明している現役選手は何人かいますが、その中の代表がレイラ・マッカーター選手です。彼女は「3分のラウンドの中で組み立てて行くのがボクシング」という考え方の人で、それを(彼女のホームである)ネバダ州のコミッションに認めさせています。

 団体としてはWBAとGBUが女子の3分制を認めていますので、ネバダ州ラスベガスでおこなわれるレイラ・マッカーター選手のWBAまたはGBUのタイトルマッチは、当然のように3分でおこなわれています。ノンタイトルも例外なく3分です。

 もちろん、マッカーター選手は2分制を拒否しているわけではないので、相手のホームで戦う時は2分でやります。地元のタイトルマッチでは3分制はゆずりませんが、12ラウンドではなくて10ラウンドや8ラウンドでやることもあります。

 2分よりも3分のほうがいいと考える選手は、マッカーター選手と基本的に同じ意見で「3分あれば相手を倒すボクシングが出来る」という点で一致しています。「2分は短いわ。あと20秒あったら相手を倒せるのに」と言ってるのはアメリカのエレナ・リード選手。アルゼンチンのジェシカ・ボップ選手も「相手をグロッギーにして、さあフィニッシュというところでゴングが鳴るのよ」と2分制に不満顔。ミア・セント・ジョン選手(アメリカ)は「3分12ラウンドでも15ラウンドでもいいわよ」と積極的。

 一般に、女子が2分制なのは安全面を考慮してと思われがちですが、2分のほうが医学的に安全だというなら、より激しいパンチを打ち合う男子がまずそうすべきで、女子だけと言うのはおかしい話です。

 女子の2分制の本当の理由を「(男子の前座の)女子を早く終わらせるため」と指摘する人もいますし、ラウンドが少ないのも「ラウンドが少ないと支払うファイトマネーが安くなるため」という理由だとも言われています(海外の話です)。

 ここでは、2分制がいいのか3分がいいのかという議論をする気はありません。ただ、女子は2分制という固定した価値観ではなくて、世界には考え方もルールもいろいろあるということだけご紹介したかったのです。

 ちなみに、現在、おこなわれている女子の世界タイトル戦はほとんどが2分10ラウンドですが、WBAでは2分9ラウンド、2分10ラウンド、3分12ラウンドの3種類、GBUが2分10ラウンド、3分8ラウンド、3分10ラウンド、3分12ラウンドの4種類があります。

 という記事をアップした直後に、レイラ・マッカーター選手と風神ライカ選手の試合が、2分10ラウンド制に変更になったと発表がありました。

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2008年09月01日

暫定王者とは?

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 ことし7月に富樫直美選手がWBCライトフライ級暫定王者になってから、急に身近になった感じの「暫定王者」という肩書きですが、これはいったいなんでしょう?

 本来は、ボクシングの各階級にはつねに王者(正王者)がいて、定期的に挑戦者とタイトルマッチを行ない、ボクシング界に話題と活気を生み出すわけですが、何かの都合で王者が試合を出来ない場合(怪我や体調不良など、引退するほどでもない一時的なトラブルを抱えている場合)に、王者のかわりにタイトルマッチを行なう仮の王者が設定されます。これが暫定王者です。

 暫定王者は仮の王者とは言っても、名前に暫定の二文字が付いている以外は、ほとんど正王者と変わらない扱いを受けます。ベルトも巻けますし、防衛戦も出来ます。

 この制度によって、正王者が試合を出来ない期間でも、上を狙う選手たちは暫定王者とタイトルマッチをすることが出来るので、正王者の回復を待って時間を無駄にすることが無くなります。

 これは、なるべく多くのタイトルマッチで話題を作りたいボクシング業界にとっても、王座に挑戦したい選手にとっても、タイトル戦が見たいファンにとっても、非常に都合のいいシステムだと言えるのです。

 しかし、問題もあります。正王者がきちんと防衛していて暫定王者を作る必要もない時でも、暫定王者を作られ、王座が混乱することがあるのです。

 業界の都合でもうひとりチャンピオンがほしい時などにこういう現象が起こります。しかし、本来ひとりのはずの王者が、同じ階級に2人もいたら、そのベルトの価値は本来の半分です。

 むかし、畑山隆則さんがWBAスーパー・フェザー級王者だった頃、畑山さんにはなんの問題もないのに暫定王者が作られたことがありました。こういうことがあると正王者の価値が下がります。

 ですから、人々が納得できる状況でない場合は、暫定王者は作るべきではないのです。そして、正王者が復帰したときには出来る限り早く暫定王者と対戦し、王者を一人だけの状態に戻すことが必要です。

 この試合に暫定王者が勝てば、もちろん正王者になります。さらに、暫定王者となった日時にさかのぼって肩書きが正王者に修正されます。たとえば、7月に暫定王者となったひとが、10月に正王者に勝った場合は、7月からすでに正王者であったということに記録が書き換えられるのです。

 しかし、負ければ暫定王者の肩書きは消えてしまい、普通の選手に戻ります。これが暫定王者というシステムです。

 WBCには現在、ライトフライ級の富樫選手以外にも、スーパーバンタム級にジャッキー・ナヴァ選手(メキシコ)という暫定王者がいます。ナヴァ選手はすでに11カ月も暫定のベルトを持っています。

 この階級の正王者はアレハンドラ・オリベラス選手(アルゼンチン)で、元気に試合をしているにもかかわらず、ナヴァ選手との正王者決定戦が組まれませんでした。が、どうやら、近日中にこの二人の対戦が決まりそうです。

 富樫選手と正王者サムソン・ソー・シリポーン選手の試合も早く組まれるといいですね。

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