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アンダードッグという生き方 マリアナ・”ラ・バルビー”・フアレス VS ぬきてるみ  WBC女子バンタム級タイトルマッチ ボクシング女子

 Boxing

2018年8月11日(土)メキシコ メキシコシティ

barby-jackie
WBC女子バンタム級タイトルマッチ
王者 マリアナ・”ラ・バルビー”・フアレス(WBC女子バンタム級世界王者/メキシコ)
VS
挑戦者 ぬきてるみ(井岡弘樹/OPBF女子東洋太平洋スーパーフライ級王者)

 ボクシングは光が当たるスター選手の陰に、善戦むなしく勝利に手が届かない選手が無数にいる過酷な世界です。

 また、最初から善戦さえ期待されない「負け要員」、いわゆるアンダードッグ、噛ませ犬、と呼ばれる選手も数多くいる非情な世界でもあります。古い世界ですからそういう必要悪が染み付いてるんですね。


 日本に負けるためにやってくるタイのアルバイトさんがそのいい例です。来日して負けて帰り、本国では自分よりもさらにやる気のないバイトさんと試合して勝ち星をもらい、新しい戦績でまた来日する、というパターンが彼ら、彼女らのお仕事です。

 日本人でもそれと同じことをやっている選手がいます。今月、メキシコに呼ばれているぬきてるみ選手です。

 ぬき選手はタイのバイトさんと4回戦って4KO勝ち。その結果、OPBF東洋王者となって世界戦に呼ばれるようになりました。

 まず、昨年夏にメキシコのフアレス選手の挑戦者に選ばれましたが、タイのバイトさんに勝たせてもらっている上げ底戦績のため、実力不足で手も足も出ないで完敗。

 その負けっぷりが評価されて(?)今年2月にはアルゼンチンの実力派デボラ・ディオニシウス選手の挑戦者として呼ばれ、こちらも完敗。

 海外二連敗のあとは大阪にタイのバイトさんを呼んでまたKOで勝たさせてもらい、今回、もう一度フアレス選手への挑戦者として呼ばれることになりました。

 昨年いい試合をしたから再戦になるわけではありません。王者にとってすごく簡単な相手だから呼ばれるだけです。

 ご覧の今回の大会バナーにはぬき選手の写真はありません。あるのはフアレス選手とジャッキー・ナヴァ選手の写真です。

 フアレス選手とナヴァ選手が同じ日に同じ会場でそれぞれの試合をして、両者が勝ったら次は12月に黄金カードのフアレス対ナヴァ戦をやろうという企画が今回の大会です。そりゃあ、フアレス選手は勝ってスーパースターのナヴァ選手とやりたいので、当然、噛ませを呼ぶわけです。

 噛ませが悪いとは言いません。プロボクシングというショースポーツの業界はつねに噛ませを必要としています。噛ませに圧勝する王者を見て喜ぶレベルのお客がいまだにいるからです。

 そして、ぬき選手はプロです。噛ませだろうがなんだろうがやってお金をもらえるなら、プロとしては当然それを受けるひともいるでしょう。悪いこととは言えません。

 けれど、それは、あくまでもお金のための噛ませ請け負いなわけで、「世界への挑戦」とか「貴重な経験」なんかではないのです。ただ、負けるためだけに行くのです。

 そんな試合を美談のように書く記者がいたらそのひとは詐欺師です。

 毎度、タイのバイトさんに勝たせてもらっているぬき選手が世界王者に勝てるわけがありませんし、勝つ気もないでしょう。ボクシング記者ならそのことを知らないひとなんかいないのです。

 本気の挑戦と噛ませを区別なく扱うライターは読者に対してその程度の良識レベルのひとだと思います。

※ボクモバさんは去年のフアレス戦を「惜敗」と書いていますが、公式結果は0対3の大差判定負けですよ?

マリアナ・”ラ・バルビー”・フアレス(WBC女子バンタム級世界王者/メキシコ)62戦49勝9敗4分18KO
ぬきてるみ(井岡弘樹/OPBF女子東洋太平洋スーパーフライ級王者 防衛0回)13戦10勝(うちタイ人5)3敗7KO(うちタイ人5)

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