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戦争をする前に戦争について知っておくべき三つのこと

 日本と某国の間で緊張が高まっているそうです。これは政治の世界ではよくあることです。

 ある国がほかの国から何か利益を引き出したい時は、軍や傭兵(過激派)などを使って相手をチクチクつつき、つつかれたほうは何かしらの交渉に応じて「相手と自分の両方の顔を立てる着地点」を見出し、緊張関係はウヤムヤになるのがふつうです。

WOW
 これは人類の歴史とともにごく当たり前におこなわれてきたことなので、いまさら腹を立てたり、なげいてみたりしても意味はありません。人間はそういうものなのです。

 交渉は一見それとは関係ない事案でおこなわれたりするので、なかなか見えにくいのですが、そうやって国と国は損したり得したりして存在しています。そのやり取りのうまさが政治力というやつです。

 しかし、あおり耐性のない政治家はそういう「政治的な戦い」に勝つことができず、安易に戦争を選択します。

 それは「戦争を回避できない」「戦争やむなし」と表現されることが多いのですが、本当は「戦争への合意」です。戦争に合意すれば人命は失われますが、物質的には多くの需要を生むので産業界にとっては悪いことではありません。

 緊張を起こした相手は初めから「交渉でも戦争でもどちらの結果になってもいい」と思って挑発しているので、戦争への合意も相手の思うツボです。

 まあ、ともかく我が国はいま相手との着地点を探そうとしないで戦争に合意しそうな勢いですから、実弾が飛びかうのは時間の問題でしょう。

 その前にちょっとだけ戦争について知っておきたいですね。

 戦争は人と人との殺し合いですが、死ぬの生きるのの前に、負傷もあります。近代的な医療班が備えられている軍隊では、戦死者の3倍ぐらいの負傷者が出ると言われます(医療が整ってない軍隊では負傷者はそのまま戦死者になるでしょう)。

 ですから「1万人戦死」というのは同時に「3万人の戦傷」だということも考えましょう。手や足や目や鼻を失う人がそれだけいるのです。

 また、戦争には判定もKOもありません。これも理解しましょう。

 第二次大戦でドイツ軍は世界中を相手に戦って450万人の戦死者が出ましたが、ドイツと戦ったソ連の戦死者は1300万人でした。

 判定があったらドイツの圧勝です。TKOでも不思議はありませんね。でも、現実にはドイツが負けで、ソ連が勝っています。ドイツ軍がいくら戦果をあげても、それ以上にソ連軍が増援されるのでついにドイツは力尽きたのです。

 このように「どっちの軍隊が優れているかということはあまり戦争の勝ち負けには関係ない」のです。

 ですから「自衛隊の戦力はスゴイ」と言っても、それはイコール「日本勝利」を意味しません。

 同じような例はいくらでもあります。アメリカ兵はベトナム戦争では数万人しか戦死せず、相手の北ベトナムは数百万の犠牲者を出しましたが、それでも負けたのはアメリカです。

 戦争には判定もKOもなく、ギブアップだけがあるからです。

 もちろん、すぐにギブアップする国なんかありません。ベトナム戦争はアメリカがあきらめるまで5年も続きました。そして、ベトナムは勝ちましたが、国はボロボロになりました。

 アメリカは敗北、ベトナムはボロボロ、では誰が得をしたのでしょうか?当事国に物資を売っていたどこかの「産業」です。

 我が国は今度の戦争で勝つか負けるか知りませんが、戦争は生と死の単純な話ではなく、手や足を無くしてその後の一生を送る多くの不幸な人を生みますし、軍隊が強くても装備が良くても勝つわけじゃありませんし、戦う国よりも戦わない周辺地域の産業が経済的に得をする行為なのです。

 バカバカしいですが、人間はそうやって生きてきたし、今後もそれは変わらないでしょう。

・戦争は戦死者よりも多くの負傷者を生み、たくさんの人に深刻な障害を残す

・戦争の勝ち負けと軍隊の優秀さは直接関係しない

・戦争行為は戦場にならない周辺地域の産業に大きな利益を与える

 

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コメント

  1. 白いむく犬 より:

    世代と地域を問わず「戦争を始めるのは
    政府(軍部)で、被害を蒙りツケを払わされるのが国民」の図式を忘れてはいけません。

  2. queens of the ring より:

    >白いむく犬さん
    そうなんですよね。
    最近のネットでは政府に同意しないと「反日」呼ばわりされるみたいですけど、歴史を見ると政府こそが日本の利益に反することをたくさん引き起こしているわけだし、日本イコール日本政府ではないですからね。
    政府と国民はちがう存在なんできっちりわけて考えないと。
    そこが民主主義国と「北」なんかとのちがいですからね。

  3. 白いむく犬 より:

    管理人さま:

    太平洋戦争でも開戦主張派の帝国陸軍の
    視野が極端に狭かった証拠をロスで見せ付けられました。

    空港からのフリーウエー沿いの砂漠に黒い
    物が動いているのを眺めていたらタクシーの運転手が「油井だよ」(Oil well)と
    教えてくれた時に、もう少しで「東条の
    大馬鹿野郎」!と叫びかけました。

    道端の砂漠から自動堀で石油が採れる国に
    対して、国民を木炭バスに乗せる国が戦争を仕掛けたなんて狂気の沙汰です。

  4. queens of the ring より:

    >白いむく犬さん すごい景色見てらしたんですね・・・。
    アメリカは日米開戦当時の世界最大級の産油国です。
    東条という人は「あっちが仕掛けてきたからあっちが悪い」とか戦後に言ったらしいですが、そんな子供みたいな理屈で戦争するなんてプロのやることじゃありません。
    どんなにシミュレーションしても、日本不利の結果しか出ないのを無視して、数字入れ替えて戦争推進したんですから、初めから結果はわかってました。
    いざ開戦して一番欲しかったはずの東南アジアの油田を速攻で手に入れたのに、タンカーを持ってなくて・・・石油枯渇して負けちゃったんですよね。
    戦争と政治のプロがいない国は戦争してはダメだということです。
    「理屈」でものを考えないで「感情」で決める人の多い国は戦争には向きません。
    最近は、右も左も感情論ばかりで、聞いても意味がない話ばかりですね。

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