観客席視点からの立ち技系女子格闘技
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天才ムエタイ少女 ペッチージャー(ペットジージャ) ミニインタビュー動画 ムエタイ女子

 Muay Thai

男子と戦うのは好きですよ。
もしも勝てたら話題になって知ってもらえます。

(ムエタイの世界では女子ファイターは平等には扱われていない。
 ペッチージャーは反撃する。
 彼女は13才だ。
 彼女は少年と戦う少女としてタイでは有名になった。
 しかし、そのあと男と女の試合は公式に禁止されてしまった。)

戦うとき、男子は攻撃的だけど、女子はそれほどでもありません。
1年ぐらい試合に出られなかった時は悲しかったです。
戦いは、以前とはちょっと同じじゃなくなりました。
おねえさんたちと戦う時はあまり全力を出してないんです。

(女子は一番有名なスタジアムで戦うこともまた禁じられている。)

女子はどこでもロープをまたぐのを禁じられています。
リングは神聖な場所だとみなされてるから。

多くの人は女子は戦いにむいてないというけど、サポートしてくれたり興味をしめす人もいます。
ムエタイは私の家族。おじさんはムエタイ選手だし彼は私の刺激になります。

 本日ご紹介の動画は、あのサーマート・パヤクァルンさんも絶賛するムエタイ天才少女ペッチージャー選手のミニインタビューです。収録は去年の秋ぐらいでしょうか。

 どうやら外人さんが外人さん視点で作ったビデオのようで、あの人たちが好みそうな「性差別や不平等と戦う少女戦士」みたいな編集になっているようですが、多分ペッチージャー選手本人にそんな意識はないでしょう。彼女は根っからのファイターなのです。

 純粋に戦っている選手に、インタビュアーがこういうテーマを押し付けるのは迷惑なことですね。

 さて、短くて、いろいろ分かりづらいビデオなので補足しますと、小学~中学生ぐらいの女の子が男の子と試合をすることはタイではそんなに大騒ぎするほど珍しいことではありません。これには特に男とか女とかの意味は無いと考えてください。

 ムエタイのマッチメイクの基本は同じぐらいの実力の選手どうしの組み合わせです。普通の選手には普通の選手を、強い選手には強い選手を当てます。タイの人は、同じぐらいの相手と戦うことに意味がある、という考えだからです。だから、そこに強い女子選手がいない場合は男の子を当てるというだけの話。

 そんなわけで、あるとき、ペッチージャー選手がいつものように男の子相手に試合をしたのですが、これが日曜日のお昼の全国放送だったのであまりムエタイを知らない人にまで話題になり、一部で「女の子と男の子を戦わせるなんてとんでもない」と激怒する人が現れることになりました。

 そのため、ナントカ省のお役人の間でもその試合が問題となり、男子と女子の試合は公式に禁止、ペッチージャー選手も出場停止とされて「1年ぐらい試合に出られなかった」のです。

 現在は復帰して元気に戦っていますが、男子との試合はありません。同年代には彼女の実力に見合う相手がいないためどの試合も年上の「おねえさんたち」との対戦となっています。それも、単に年上なだけではなく、数キロも重い相手なのですが、それでも勝ってしまうのがペッチージャー選手。

 しかも、「あまり全力を出してない」のですね・・・。

 最近のテレビマッチの会場での出来事。そこにはギャンブラーの皆さんが集まって「赤だ」「青だ」と非常ににぎやかだったのですが、ペッチージャー選手の試合になるとギャンブラーの皆さんは全員帰ってしまいました。みんながペッチージャー選手が勝つと信じているから賭けが成立しないのでしょう。そのくらいの鉄板評価なんです、彼女の実力は。

 一番有名なスタジアムというのはルンピニーとラジャダムナンのことですが、ここは女子が戦うどころかリングに触れることすら禁止。日本の大相撲の土俵と同じようなものだと思って間違い無いでしょう。そこ以外のリングなら女子もOKなのも日本の相撲と同じですね。

 タイでは女子はロープをまたいではいけないことになっています。ボクシングでも同じです。またいではいけないということは、一番下のボトムロープとリングの間から入れということです。これはタイ国内のどのリングでも同じです。

 海外ではこの習慣は無いので、タイの女子もロープをまたいで入りますが、この時の表情がまた人それぞれなんですね。来日してニコニコ笑顔で嬉しそうにトップロープをまたぐ選手もいれば、「いいの?」って感じで恐る恐るまたぐ選手、そうかと思えばサー・サー・ソー・アリー選手のように日本でもボトムロープの下をくぐる選手もいます。

 このロープ関係の個人差は大きいみたいですね。ペッチージャー選手は「神聖な場所だからです」と説明するだけで、なんの意見も言っていません。

 こういうことには差別だなんだと外国人が騒ぐもんではないと思います。ペッチージャー選手の実力よりもそういうことに興味を向ける人はムエタイが好きなわけじゃないのでしょうね。

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