観客席視点からの立ち技系女子格闘技
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一般の格闘技ファンのための100の大事なことがら その13 ブアカーオはバンチャメーク? 選手名はローマ字読みでオッケー?

 このブログもずいぶん続いてきましたが、海外の選手の記事を書くとき、いまだに苦労するのがその選手の名前の読み方です。特に、ウチで扱うような女子の格闘技の選手は、日本初紹介になることが多く、参考になるような前例がほとんどないのです。

 それでも、「外国人の名前なんて結構日本でも紹介されているから、そんなに大変じゃないはず」と最初は思っていたのですが、ブログを始めてすぐ気付いたのは「カタカナになっている外国人の名前なんてほんの一部でしかないんだ」という現実でした。

 珍しい名前でなおかつ読みも難しかったのは、現UFC女子ストロー級王者のヨアンナ選手。彼女はキックボクサーとして初来日したのですが、その時、日本のプロモーターさんが使ったリングネームは「ジョアンナ」。再来日の時は別のプロモーターさんが招聘したため「ヨアンナ」のリングネームに変わりました。

 ポーランドの選手なので英語読みのジョアンナよりもポーランド風のヨアンナの方がウチとしても正解だと思い、その時から記事を書く時はヨアンナに統一しました。しかし、問題はフルネーム表記です。日本のプロモーターさんはヨアンナとしか書きませんでしたが、海外ではフルネーム表記が基本なのでQRとしてもカタカナのフルネームを書く必要がありました。

 しかし、Jedrzejczykという名前をカタカナにした例はどこにも見つからず、三日三晩と三分間悩んだ結果、海外の動画でのリングアナウンサーの発音を参考にしてヨアンナ・イェドジェイチクと表記しました。

 彼女のホームのリングアナウンサーの発音が聞ければそれが一番いいのでしょうが、ポーランドでの動画が見つからず、複数の動画を検討してイェドジェイチクとしたのです。

 当時は彼女のフルネームを書いている日本のサイトは皆無だったのですが、彼女がUFCで活躍し始めるとちらほら日本語化されるようになり、イェイセンシック、イェンジェイチックなどの変化を生みながら、現在はUFCの公式日本語サイトの表記であるヨアンナ・イェンドジェイチェクが定着しているようです。ウチとしては結構近い表記になったので、上出来だったかなと思っています。

 UFC関連で言えば、去年衝撃のKO勝利で女子バンタム級王者となったホリー・ホルム選手。 当ブログではボクシング王者時代から長年ホリー・ホルム表記で記事を書いていましたが、彼女がUFCに参戦してカタカナ化され始めた時にUFC公式サイトの表記はホリーじゃなくてホーリーとなっていました。

 どっちが正しいわけじゃないですが、どうしてもズレちゃうんですよね。だって、Holly Holmというシンプルな名前なのにホリー/ホーリー、ホルム/ホーム、どう書いたって間違いじゃないので。

 と、思ってたら、つい最近、公式サイトもQRと同じホリー・ホルム表記になったのでひと安心。

ジェリーナ・マジョナヴィッチ VS リンジー・ガーバットIII

 ボクサーで難読で印象に残っているのは超級ハードパンチャーのジェリーナ・マジョナヴィッチ選手。Jelena Mrdjenovichという綴りなのですが、住んでいるのが英語とフランス語が混じっているカナダなので、Jelenaをフランス語読みすればエレナ、しかし後半は東欧系の名前なので、全体としては何語を基準にすればいいか見当もつきません。

 結局、動画を探し回ってリングアナや解説者の人の発音を参考にジェリーナ・マジョナヴィッチという表記に決定し、数年にわたっていくつもの記事を書いた後、彼女の来日が決まりました。その時、日本のプロモーターさんがつけた名前がジェレナ・ムルドジェノビック。ストレートなローマ字読みです・・・。

 ウチの記事では読者さんの混乱を避けるためにマジョナヴィッチ[ムルドジェノビック]と書きましたが、本音を言えば、いくらなんでもムルドジェノビックはあんまりだと思いました。

 選手の名前の表記は、なるべく多くのリングアナのコールを参考にするのがウチの基本です。ムルドジェノビックなんてコールは世界中で後楽園ホールのたった一回しかないのですから、参考にも何にもなりませんが、日本のボクシングではリングアナのコールが絶対ということになるのでムルドジェノビックが正式だそうです。仕方ないですね(苦笑)。

 外国選手の名前を日本風のローマ字読みにしちゃうのって、いまだに多いようです。

 例えば、ブアカーオ選手のリング名Buakaw Banchamekはカタカナでブアカーオ・バンチャメークとなっています。本当は最後のKは発音しないで口をKの形にするだけなので、タイ語や英語や中国語のアナウンサーはバンチャメー、バンチャメッみたいな発音で、「ク」を付けているのは日本だけです

 英語のMuscle(筋肉)はマッスル、Knee(膝)はニーですよね。CやKがあるからといって、マスクルとかクニーとは読みませんね。これはもう理屈じゃなくて、そうなんだから仕方がないんですが、日本ではどうしてもCやKを読んじゃう例は後を絶ちません。

 ジョアンナがヨアンナになったり、ホーリーがホリーになったりしたように、バンチャメークも将来バンチャメーになるかもしれませんけどね(?)。

 最後に、2月に来日が決まった天才ムエタイ少女、ペッチージャー(Phet Jee Jaa)選手の名前がこれまたローマ字読みで「ペットジージャ」になっているのにはびっくり。

 そりゃあ、チョコレートファイターなどの映画で知られた女優のジージャー(Jee Jaa)さんの名前にPhetが付いているのでペットジージャにしたいのも分かりますが、タイの動画でのコールを聞く限りはペッチーチャーあるいはペッジーチャーぐらいが落とし所でしょう。最後のジャーが上がる音なので少なくてもジャではないと思います。

 外国語を日本語表記にするのは不可能だし、誰だか分かればそれでいいのかもしれませんが、阿部(Abe)さんがエイブとか、加藤(Kato)さんがケイトって英語風に読まれたらイヤですよね。

 だから、その辺の気遣いは忘れたくないなあと思うのです。

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コメント

  1. queens of the ring より:

    この記事を書いたあと2月7日のペッチーチャー(ペットジージャ)選手のポスターを見たら、表記が「Petzijya」になってました。
    ペッチーチャー選手は英語圏でも知られていて「Phet Jee Jaa」の表記が定着していますよね。それをいまさらどうしてこういう独自表記にしちゃうんでしょうか?
    今後も彼女を継続的に呼ぶつもりがあるのなら、ネームはちゃんとしておいたほうがいいと思います。

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