観客席視点からの立ち技系女子格闘技
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最初の女子世界チャンピオン バーバラ・バドリックとその時代 ボクシング女子

 Boxing

 世界で最初の女子ボクサーは誰かということは、世界で最初の男子ボクサーは誰なのかと同じく、答の出ない質問です。しかし、最初の女子世界チャンピオンはバーバラ・バドリック選手であることは多くの人が認めています。

 イギリス生まれのバトリックさんは、1940年代のある日、古い新聞に女子ボクシングの記事が載っているのを見て「わたしがやりたいものはこれだ」と思いました。そしてグローブと本を買ってきて男の子たちとパンチの練習を始めました。その時、バトリックさんは13才。

 やがて彼女はボクシングジムに通って本格的に練習を始めましたが、当時のイギリスでは女子のボクシングは非合法。新聞の記事の女子ボクシングとは、ポータブル・リングで各地を移動しながら賞品や賞金のかかった試合をおこなう、なかばアンダーグラウンドなものだったのです。

 バドリック選手も同じようにポータブル・リングで転戦をしていたようですが、1952年にチャンスをもとめてアメリカへと移動。アメリカでも女子ボクシングはまだまだ非公認の存在であることには変わりはありませんでしたが、アスレチック・ショーと呼ばれる興行に加わったバトリック選手は身長150センチという体格から『イギリスから来たマイティー・アトム』と呼ばれて知られるようになり、アメリカ、カナダで試合をこなしながら1957年についに初めての女子世界王座決定戦に出場することが出来たのでした。この試合はテレビでも取り上げられ大きな話題となったそうです。

 フィリス・クーグラー選手(アメリカ)と全6ラウンドを戦った結果、バトリック選手はユナニマス・デシジョンで勝利し、テキサス州認定の世界最初の女子ワールドチャンピオンの座を獲得(当時はいまのようなボクシング王座認定団体がまだ存在せず、州のコミッションが王座を認定していました。最初の認定団体WBAの誕生はこの試合の5年後)。

 世界王者となったものの、当時は女子選手の数が非常に少なかったため、バトリック選手の公式試合はなかなか組めない状態が続き、防衛戦すら出来なかったようです。

 彼女の通算キャリアは18勝1敗1分(30勝1敗1分との説も)。たったひとつの敗北は15kgも重い選手との試合でした。

 彼女がショーなどのリングで男性を相手にこなしたエキシは数千回。アメリカでの知名度はかなり高かったようです。

 引退後、彼女はリングサイドのカメラマンとなり、さらにその後の1993年には世界最初の女子のボクシング団体WIBFを設立、80才を越えた現在も同団体の会長をつとめています。

 今回の動画はバトリック選手の若き日と現在(といっても数年前ですが)の姿です。この人がいなかったら女子ボクシングの発展はもっとずっと遅くなっていたことでしょう。

 *バーバラ・バドリックさん最新インタビューはこちら
バドリックさんは今回のオリンピックに興味津々で、ボクシングのテストイベントを見にロンドンまで行ったそうです。そして、ロンドンの決勝戦も観戦する予定だそうです。まだまだ元気ですね。

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コメント

  1. g1j2p5i5 より:

    今晩わ   貴重な動画と黎明期の話を 有難うございます  最近はタイトル戦が減ったのは 気になりますが   IFBAは白選手オンリーになってしまいましたね   でも会長がこの元気なら 猪崎はまだいけますね(笑)  自分より年上なので 無理せず 1日でも長く現役でいてほしいです                                                                 ところで 最近の日本女子ボクですが 王者の数こそ 王国アルゼンチンやメヒコに次ぐものとはいえ 危機的状況に落ちつつあると感じませんか? 挑戦者の質もさる事ながら あの冨樫でさえ 試合枯れになり 新たな世界挑戦の話は真道のみ・・        

    まあ 著名な王者でさえ 全盛期のタイトル戦 年間2試合というのもザラなので 試合数は その線でいいとは思うんですが(本当はNON戦も含めて年3試合がいい) コリアの王者達も 試合の質はともかく 頑張ってると思うし 多田や冨樫の 暫定王者を相手にしての 海外防衛成功は本当にすごい                                                               日本人対決もいいですが ここは思い切って 男ボクに先駆けて IBF/WBOを認めるとか メヒコや独への偵察とか かなりの革新をしないと 黎明期の灯が本当に消えてしまう・・・

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