2011年02月07日

プロスポーツを支えるのはファンの存在だということが分からない人もいる

boxing

 サッカー、バスケ、野球、ゴルフなど、世の中にはたくさんのプロスポーツがあります。そして各分野のトップ選手になると年間数千万円、数億円という一般のひとの感覚をはるかに超えたビッグマネーを手にしてスポーツ・セレブと呼ばれるようになったりもします。ボクシングではひと試合で数十億円というファイトマネーの話も現実にあります。

 今では当然のようになっているこのスポーツセレブ、スポーツスーパースターという存在ですが、かつてのスポーツ界にはなかったもので、その最初の一人となったのはモハメド・アリ選手でした。

 アリ選手は単に試合をこなすだけではなく試合のないときにも常にメディアに話題を提供し、非常に旺盛なショーマンシップで会場をもり上げ、もちろん試合の内容も超A級。ファンは喜び、客席は満員。スポンサーになりたい企業が押しかけ、大金が集まります。そのお金でさらに大きな試合を開き、ボクシングは巨大イベントへの道を歩み、キング・オブ・スポーツとして現代プロスポーツの基礎を作っていったのです。

 このようにファンを喜ばせることがプロスポーツの使命であり生命線であることは疑いようのないことです。が、しかし、そういう常識を共有出来ないひとも実はけっこういるのです。

 たとえば柔道やレスリングなどのアマチュア競技から格闘技に来た選手の一部がそうです。日本の女子総合格闘技は層が薄くてマッチメイクに苦労している競技ですが、そこの某選手はリマッチが嫌いなことで有名でした。リマッチの話が来ると「その人にはもう勝った」と断るそうなのです。

 ボクシングをはじめあらゆるプロスポーツではリマッチは大事な興行の目玉です。ある試合が評判が良かったら、それの再戦はファンの関心を呼びます。その再戦がまた評判が良ければ今度は3回めの対戦を組みます。特にこの3回めはボクシングではラバーマッチといって非常に価値があるものと言われます。この「名勝負数え唄」でプロスポーツは大きく盛り上がるものなのです。

 モハメド・アリ対ジョー・フレイジャーは3回やりました。パッキャオモラレスも3回です。これがプロスポーツなのです。それを再戦すらあっさり断られたらプロモーターはどうすれば良いのでしょう。プロスポーツを見ないでアマから来た選手にはときどきこういうプロの仕組みが分からないひとがいるのです。

 また、やはりアマから来たひとにはベルトの防衛の概念のない場合もあります。ベルトはアマチュアのメダルと違って永久にその人のものになるわけではなく、王座に就いているときしか巻く権利のないもので、そのベルトを何回防衛出来るかということが王者の価値を高め、ファンの人気を集めるものですが、それを分からない人はベルトを獲得しただけで満足したり、防衛戦にちからをいれなかったりということになります。

 数年前に北朝鮮にリュ・ミョンオクという非常に強いアマ出身の女子ボクサーがいましたが、通算3回スーパーフライ級の世界王者になったものの、最初のベルトは防衛せずに剥奪され、次のベルトは1回防衛したものの2回めの防衛をしないで剥奪。3回めのベルトも1回防衛しただけで剥奪という非常に不安定な活動でした。

 王者がこんな状況ではこの階級が盛り上がるはずもなく、スーパーフライ級は女子の不人気階級となっていましたが、メキシコのアナ・マリア・トレス選手が王者になり積極的な防衛活動を繰り返した結果、現在は非常に注目を集める人気階級となっているのはご存知の通りです。

 世界にはいろいろな社会の形態があります。中国や北朝鮮のようにプロ興行やチャンピオンベルトというものが定着していない国。韓国のようにかつてはプロ興行があったのに現在では壊滅状態の国。タイのように地元の名士のお恵みで無料イベントとしておこなわれている国。

 しかし、その国の事情がどのようなものであっても、ボクシングはイギリスやアメリカで発祥して発展した西洋スポーツの文化であり、システムもそれに基づいて作られています。プロボクシングに参加したいのであればそのシステムと精神を尊重する必要があります

 チャンピオンになった者は規定の期限内に防衛戦をするべきであるし、タイトルマッチは団体の本部が決めたランキング上位同士が戦うべきであるし、無気力試合でファンを失望させるようなことはするべきではないし、判定は世界基準の公正なものにするべきであるし、いつでもプロの誇りを持って正々堂々と戦うべきなのです。

 2008年以降の日本の女子ボクシングはプロ意識の欠如したタイのボクシング界のいい加減さの巻き添えになって大事な時間をムダにしてきました。

 タイから招聘した二十数人の女子ボクサーのうちまともな試合をしたのはほんの少しで、あとは完全な素人だったり、最初から試合を投げたり。世界ランキングの低位にも届かない二流の選手のくせに裏工作かなにかで突然暫定王者になって日本人正規王者と同じベルトを巻いて王座の価値を下げたり、ひどいことばかりをやられてきました。

 前にも何度も書いていますがQRはタイの国も人もごはんも音楽も文化もムエタイも大好きです。タイの人たちには常に大きな尊敬とあこがれをいだいています。

 しかし、タイのボクシングの業界とその関係者は大嫌いです。彼らがどんなに日本のボクシングを傷つけているかはこのリスト http://www.jbc.or.jp/web/invitation/invitation.pdf を見ただけでも明白です。これはお金を出して見に来たお客にとんでもないひどい試合を見せてボクシングの権威を傷つけた外人選手のリストですが、そのほとんどがタイ人選手です。現実にはこのリストの数倍のタイ人選手が最低の試合で客席の怒りと失望を買っています。これは氷山のひとかけらなのです。

 ノー・モア・タイボクサー。これ以上ボクシングの人気が下がらないように、JBCさんには世界ランク15位以下のタイ人選手は招聘禁止、無気力ボクサーを送り込んだタイ人関係者の日本ボクシング界接触禁止などの断固とした処置をお願いします。

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queensofthering at 00:25│Comments(6)トピック | プロフェッショナルとは このBlogのトップへ前の記事次の記事

この記事へのコメント

1. Posted by SZK   2011年02月07日 00:50
ほんとうにそのとおりです。タイの関係者を当分のあいだ閉め出すぐらいの断固とした態度を取ってほしいと思います。ここまでなめられて黙っていることはないです。
2. Posted by kai   2011年02月07日 01:31
ご説ごもっともですが、そういうタイ選手を要求する日本の関係者の方が責められるべきでしょう。あちらはクライアントの要求に答えてるだけでしょうから。
3. Posted by queensofthering   2011年02月07日 01:54
タイ人招聘問題で日本側の共犯者がいるとしたらその人間の責任も非常に重いと思います。

しかし、日本側が「程度の低い無気力ボクサーを送ってくれ」と要求してタイ側がその要求に応えているだけ、とは思えません。

女子では一発のパンチも打たないでしゃがみこんだラシャニコーン・シティチャイジム選手や最初から計量を通れない体重で来日したジョミュシン・ゴーキャットジム選手が記憶に新しいですが、そのようなものまで日本側の「要求」であるわけはないでしょう。

そんな要求をしても日本側にはなんのメリットもないのですよ。
4. Posted by すばらし   2011年02月07日 10:37
本間にその通り!です いつも感心して読まして頂いてます ありがとうございます
5. Posted by QR bookmarker   2011年02月07日 23:31
いつも鋭い情報発信、楽しく拝見させていただいてます。

この業界も「八百長」が存在するのでしょうかね?(爆)

とにかく、とある試合で、某タイ人選手を紹介するアナウンスで、「ボクシングを始めたキッカケは、お金が欲しかったからです。」と紹介されてるのを聞いたとき、激しくゲンナリしました・・・。(案の定、無気力試合でした。)
タイ人選手本人よりも、彼女らをボクサーとして仕立てた関係者、こういった試合を平気で組む日本側関係者に問題があるような気がします。
6. Posted by queensofthering   2011年02月08日 01:08
コメントをくださった皆さま、ありがとうございます。当ブログは別にたいしたことは書いていません。ボクシングファンが直面していることを見たままに書いているだけです。
日本のボクシングにいわゆる「八百長」があるとは思いませんが、それを疑われてしまう現状は悲しいことです。
タイ人ボクサーやタイの関係者にプロ意識欠如による問題が多いことは日本側ではどうすることも出来ませんが、そういう国から「呼ぶのが悪い」という指摘には耳を傾けるべきだと思います。

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コメントありがとうございます。掲載には時間がかかります。
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