観客席視点からの立ち技系女子格闘技
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規制緩和が見えてきた女子ボクシング

 Boxing

 9月24日におこなわれた『女子ボクシング準公式戦 プロトライアルマッチ』に関しては以前にも少々書きましたが、大手通信社の記事で新しい情報が出ていますので、それをふまえて補足、整理してみようと思います。
プロトライアル 女子のみの興行(重田玲記者の共同通信記事)

 まず、これまでの公式情報では女子ボクシングプロトライアルマッチとは
*プロテスト受験前の練習生に公式戦に近い経験を積ませて技術向上をはかるもの
とされています。

 しかし、それは表向きのお題目であって、本当の狙いは
*日本ボクシング界がライセンス交付の対象から除外しているキックボクシング/総合格闘技などの他種目選手をボクシングのリングにあげること
であることが非公式にアナウンスされています。

 そして、今回の記事での新情報として
*プロトライアルマッチを無敗で何度か経験すればプロテスト免除でプロライセンスが交付される
ことと
*年齢制限規定によってプロライセンスを取り上げられた選手でもこのトライアルマッチには出場可能で、さらにはライセンス再交付につながること
がわかりました。

プロトライアルマッチ 突っ込みどころがたくさん過ぎるあいまい新企画ではありますが「他競技との掛け持ちはダメ」「33歳過ぎてのプロテスト受験はダメ」「37歳過ぎての試合はダメ」と禁止事項ばかりだったこの業界が、あまりの人気の低下、観客の減少、選手の減少に危機を感じて少しずつでも動き始めたことは評価に値するでしょう。

 しかし、起死回生の新基軸として思い切って出した情報が「予定されている」「検討されている」「可能性もある」の連発では、女子ボクシング消滅前夜と言われるこの緊迫した状況を前にあまりにもノンキな印象。

 規制の対象となってライセンスがおりない選手は、ヘッドギア付きでいいならなでしこファイト、3回戦でいいならBOX FIGHT、実力があるなら独自交渉で海外のプロ公式リングに直接あがることも出来るわけで、今後いろんな選択をする選手が出てくるでしょう。もう、答えを引き延ばしている時間はありません。

 また、事実上の疑問として、プロ以下の練習生とプロが戦うこのトライアルマッチで、何度かプロに勝つか引き分けるかすればプロ認定というのはあまりにも高い壁ではないでしょうか。先日の二つのトライアルマッチでも勝ったのは当然ながらプロ選手でした。

 そして、お金を払って入場している客の立場から言えば、プロ以下の練習生がやるトライアルマッチは見たくないです。

 「観客の目の前で試合をするとなると、選手のやりがいにもつながる」というのは身勝手な内輪の論理であって、プロの世界の人の発言とは信じられません。

 プロトライアルマッチをやるなら試合開始前の客入れ時間に余興として行うべきで、決してプロ公式戦の合間に行ってはいけません。(写真はトライアルマッチが第6試合に行われていた前回のパンフレット)

 最後に、女子ボクシングプロトライアルマッチはどの興行でやるのかという問題があります。

 左側のスケジュール欄を見ていただければ「ボクシングの聖地」後楽園ホールではいまのところ12月まで女子の試合予定がないことがわかります。では、男子のみの大会で女子のトライアルマッチをやるのでしょうか?プロ以下の練習生の下手な「試合」が女子ボクシングのイメージをさらに落とすことにならないでしょうか?

 ボクシングがいろいろな現状の規制から解き放たれて未来に生き残り「ああ、あんな時代もあったね」と笑って振り返れる日が来ますように。

前回記事 新企画『女子ボクシング プロトライアルマッチ』は消滅寸前の日本女子ボクシングを救うか?

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コメント

  1. 次元 より:

    トライアルマッチでプロに勝ってライセンスもらえるような練習生なら普通にプロテスト受けるよ

    こんなワケわからないものに出たい人も見たい人も自分の大会に組み込みたいプロモーターもいないと思う

    こんなめんどくさいことしなくてもレギュレーション変えればすむことなんだけどね

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