2010年10月02日

新企画『女子ボクシング プロトライアルマッチ』は消滅寸前の日本女子ボクシングを救うか?

boxing

2010年9月24日(金)後楽園ホール
To the Future 〜未来へ〜 Vol.07

黒田陽子 vs 佐藤理絵
黒田陽子(黒) vs 佐藤理絵(銀)

 9月24日のTo the Future 〜未来へ〜 Vol.07で、今までに見たことのない新企画の試合がふたつおこなわれました。

 これは、『女子ボクシング準公式戦 プロトライアルマッチ』と呼ばれるもので、JBCさんの説明によれば「女子ボクシングの競技普及と技術向上を目的とし、ヘッドギア無しの試合に抵抗のある練習生やプロのレベルに達してはいないけれどもリングに立ちたいと思う人の夢をかなえることを主眼においているもの」だそうです。

 ルールは2分3ラウンド、ヘッドギア着用、通常よりも大きなグローブ、公式審判員がジャッジし、採点基準はプロとほぼ同等ということです。

 しかし、この説明を聞いても客席では「エキシなの?マジなの?」「スパー?」「どうして片方だけプロなの?」「説明は分かるが試合か練習かわからない」という声が多数。

 正直、QRもさっぱりわかりません。

 説明のとおりだとするなら、ヘッドギアがあっても(バッティングによるカットとかは防げても)パンチのダメージは防げないので安全ではありませんし、プロに達してない人の「リングに立ちたい夢」なんてかなえてやるべきではありません。まったく納得できない話です。

 しかし、その説明は表向きの話でしかなく、この『プロトライアルマッチ』の本当の狙いは「ライセンスを持ってない人でもジムでの練習さえすればリングに上がれる道を作る」ことらしいです。

 つまり、ボクシングのライセンスを持つことの出来ないキックや総合の選手でもこのルールでボクシングのリングに取り込めるのです。

 もともと日本の女子ボクシングは、世界の国々と同じくキックボクサー、ムエタイ選手、格闘技選手などがボクサーに混じって積極的に参加して成り立っていました。

 しかし、JBCさんの体制になってから「ボクサーは他の競技とかけ持ちしてはならない」という20世紀に作られた古い規定が女子にも適用されて多くのかけ持ち選手がボクシングから排除され、深刻な選手不足におちいり試合が組めなくなってしまいました。このことが今の女子ボクシングの不人気の原因であることは明らかです。

 この問題に対処するために、今回やっとボクシング業界が動いたということは悪いことではありません。

 しかし、キックや総合の選手が、2分3ラウンドのヘッドギアマッチに出場したからといって、ファンが喜ぶとは思えません。選手だってそんな試合かスパーかわからないものに出たいと思うでしょうか?

谷美幸 vs 橋本由貴子
谷美幸(赤) vs 橋本由貴子(青)

 はっきり言って今回のふたつの「準公式戦」はさっぱり面白くありませんでした。プロの基準で裁くと言いながら「頭が低い」「頭が近い」「パンチが低い」「頭より前にグローブ構えて」と2試合とも注意の山(プロ選手でも注意を受けまくり)。時間が2分3ラウンドしかないのにレフリーがいちいち試合を止めてコレでは試合になりません。

 階級規定がなく選手の体格も合ってないし、表情も見えないし、カネを払っているお客の前に出せるものではないです。

 消えようとしている女子ボクシングに、こんな小細工をしてもなんの救いにもなりません。それよりも「ボクサーのかけ持ち禁止規定」を排除してください。

 日本だけがこだわっているこの変な規定が女子ボクシングを殺そうとしています。この規定をすぐに廃止してください。「女子ボクシングの競技普及」にはそれが一番です。


プロトライアルマッチ 準公式戦 3回戦
黒田陽子(花形)
3−0
×佐藤理絵(熊谷コサカ)

黒田陽子 vs 佐藤理絵
 黒田選手がよく動き、佐藤選手がじっくり見ているうちに終わってしまった感じ。黒田陽子選手がユナニマスデシジョンで勝利。


プロトライアルマッチ 準公式戦 3回戦
谷美幸(フュチュール )
負傷判定 2−0
×橋本由貴子(神拳阪神)

谷美幸 vs 橋本由貴子
 橋本由貴子選手が神経質すぎるレフリーに止められながらも積極的なボクシングをしていましたが、谷美幸選手のヒジの負傷により負傷判定となり、判定は谷美幸選手の勝利。

 それから、いつも思うのですが、女子のデビュー戦や2、3戦目の選手には入場曲はいらないでしょう。赤青同時に音楽無しの入場でいいと思います。新人の頃から日本のリングは女子に甘過ぎ。

 この日はメインの開始時間が予定より遅くなってしまい、途中で帰る人も多くいました。第1試合からずっとひとりひとり入場曲を流していたのではこのように時間が無くなるのも当然です。

 特に、デビューもしていないトライアルマッチにもそれぞれ入場曲があったのはやり過ぎ。

 しかも、トライアルマッチのうちのひとつは第6試合という扱い。3回戦なのに4回戦よりもあとなのです。こんな馬鹿な話はないでしょう。トライアルマッチをやるのなら公式戦開始前(開場直後)の第0試合とすべきですし、他競技ならそれが常識ですよね。

谷美幸(フュチュール )4戦2勝1敗1分
橋本由貴子(神拳阪神)デビュー前
黒田陽子(花形)3戦1勝2敗1KO
佐藤理絵(熊谷コサカ)デビュー前

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この記事へのコメント

1. Posted by S   2010年10月02日 20:56
国内の女子のボクシングの予定がないね。まじでやばいって。
2. Posted by    2010年10月02日 22:43
こんな試合に出たいと思うキックボクサーなんていないよ。キックのほうが客入ってるんだから。
3. Posted by ボクシングファン30年   2010年10月02日 23:10
最近の駄目な日本を象徴する一例
根本的な改革というものをする勇気がないんだよね