2008年05月13日

スージー・ケンティキアン 対 マリー・オルテガ

boxing


2008年5月10日
スージー・ケンティキアン VS マリー・オルテガ

 この日の第1試合はビクトリア・ミロ選手(ハンガリー)対スベトーラ・タスコバ選手(ブルガリア)の女子マッチでした。ミロ選手はWIBFおよびGBUの現フライ級チャンピオンで、2005年にはステファニア・ビアンキーニ選手を破り、2006年にはレギーナ・ハルミッヒ選手を流血戦に追い込むなどしていますが、今回のタスコバ選手とは2004年以来の再戦で、ノンタイトルマッチ、しかも、タスコバ選手が、なんと、21連続の敗戦記録更新中の超アンダードッグということもあって、会場はさっぱり盛り上がりません。しかも、この格下すぎる相手を仕留めることが出来ずに、ミロ選手は判定まで行ってしまう情けない展開。

スージー・ケンティキアンVS マリー・オルテガ
 おそろしいぐらいに冷えきってしまった第1試合のあとは男子の試合が七つ続きましたが、どれもなかなかに面白く、お客さんもかなり盛り上がってきました。しかし、どの試合よりも一番盛り上がったのは、解説のレギーナ・ハルミッヒさんが会場入りしたときでした(笑)。さすがに彼女の人気は抜群です。

スージー・ケンティキアンVS マリー・オルテガ
 このあとテレビの生中継に合わせてメインの前に休憩兼時間調整がはいって22時20分放送開始。ここで突如、会場のボルテージがアップ!

スージー・ケンティキアンVS マリー・オルテガ
 その熱狂はまるでサッカースタジアム。野太い男声の「スージー、スージー」という重低音コール、ホーンの音が「プワァーー」と鳴り響き、拍手と歓声の嵐。オルテガ選手の入場時には耳を圧する大ブーイング。この会場にはもはや観客なんてものは一人もいません。ここにいるのはサポです!ドイツサポです!

スージー・ケンティキアンVS マリー・オルテガ
 大変なことになってしまいました。これはサッカー場とかの経験がないとマジのまれます。リングで見たマリー・オルテガ選手は冷静で精悍な表情だったけど、オルテガ陣営のセコンドが、顔がかなりひきつってたから、会場の雰囲気にやられたかもしれません(笑)。

スージー・ケンティキアンVS マリー・オルテガ
 試合開始のゴング。オルテガ選手はアグレッシブな立ち上がりで攻めていきます。積極的にコンビネーションを打ち出しますが、ケンティキアン選手の細かいステップにパンチがあと一歩のところで届きません。オルテガ選手、再び右ストレートから左アッパーと仕掛けるが、これは読まれてしまう。パリー、ブロックなどのグローブによる防御はほとんど使わず、ひらりひらりと反射神経でパンチをかわすケンティキアン選手の華麗なディフェンスワーク。素速く踏み込んで牽制のストレートを放つスージー。速すぎて写りません(笑)。

スージー・ケンティキアンVS マリー・オルテガ
 その圧力にオルテガ選手は自分の距離を失っていきます。鋭い右に思わずクリンチにいくオルテガ選手ですが、すでにタイミングを測っていたスージーは、次の瞬間サッと入りつつ左右左右のコンビネーション、4発目の右が完璧にオルテガ選手の顔面をとらえ、鮮やかなノックダウン。
 リスタート直後、すかさずロープに追い込み連打を叩き込むと2度目のダウンを奪います。さらに追撃してレフリーストップTKO。強豪のオルテガ選手に対して信じられないような結果です。

スージー・ケンティキアンVS マリー・オルテガ
 わずか2分たらずの試合でしたが、素晴らしいスピートとパワーにあふれる内容でした。トップギアで文句無しの強さを見せてくれたケンティキアン選手の試合運びに脱帽です。
 セレモニーで、高々と掲げられたWIBFとWBAのベルト。しかし、すぐにリング上は巨大な関係者さん達でいっぱいになり、主役の選手がまったく見えません(笑)。見知らぬドイツの人がわたしを肩車してくれました(ダンケ、ダンケ)。

スージー・ケンティキアンVS マリー・オルテガ
 リングをおりたスージーはレギーナのいる解説席に移動、そんときにファン(ちびっ子多い!)のサイン攻めに合い、なるべく応対しようとするうちにすごい人だかり。2m超の巨人セキュリティーに促されて、放送席へ。テレビを見ていた人によれば、ここでレギーナが「2回目のダウンをとった時に試合が終わったと思った?」とスージーに振ったところ「私はもっとやりたかった。ちゃんとKOしたかった。だけど、あれ以上続けてたら無駄なダメージを与えてしまうし」と答えたそうです。

スージー・ケンティキアンVS マリー・オルテガ
 レギーナはオルテガ選手の実力を非常に高く評価していて、戦前にスージーの苦戦を予想していました。どうやら「ストップが早過ぎる」発言は、「オルテガ選手の経験と精神力があれば、二度のダウンからも立ち直った可能性がある」という肯定的な気持ちから来ているようで、最後までやっつけろ、みたいな意味ではないようです。だけど、会場には発言の一部だけが流れたので、誤解した観客からブーイングが起きたのでした。たとえ大好きなレギーナの言葉であっても、賛成か反対かの意思を明確に表現する、ドイツ人気質ってやつです。
 試合後もすぐに立ち去る人は少なく、その場で手に手にビール、あるいは、外の出店で飲み始める人が多かったです。きっと、格別にうまい酒だったのではないでしょうか?

WBA王者 スージー・ケンティキアン

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queensofthering at 10:01│Comments(0)ボクシングの試合:2008.4〜6 | 選手:スージー・ケンティキアン このBlogのトップへ前の記事次の記事

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